砂糖類の国内需給

　農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」（昭和40年法律第109号）により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「平成28砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し（第2回）」を公表した（詳細は2017年2月号参照）。

2月の移出数量は前年同月並み
　2017年2月の異性化糖の移出数量は、5万8856トン（前年同月比0.4％増、前月比0.1％増）となった（図1）。
　2月の規格別の移出量は、次の通りであった（図2）。

果糖含有率40％未満 　　　  384トン
　（前年同月比5.7％増、前月比22.5％増）
同40％以上50％未満  1万7064トン
　（同1.4％減、同4.0％増）
同50％以上60％未満　 4万609トン
　（同0.9％増、同1.6％減）
同60％以上　  　　　　　　　　798トン
　（同8.1％増、同0.9％増）
 

【分みつ糖の輸入動向】
1月の輸入量は前年同月から大幅に減少
　財務省「貿易統計」によると、2017年1月の分みつ糖（HSコード 1701.14-110）の輸入量は、2万2602トン（前年同月比23.5％減、前月比64.5％減）であった（図3）。
　輸入先国はタイのみであった（図4）。

タイ  2万2602トン
　（前年同月比23.5％減、前月比64.5％減）

　同月における豪州からの高糖度原料糖（糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200）の輸入量は、1万3975トン（前年同月比19.1％減、前月比76.1％減）であった。


 

　2017年1月の1トン当たりの輸入価格は、5万9068円（前年同月比29.6％高、前月比0.3％高）となった（図5）。

 タイ  5万9068円
　（前年同月比29.6％高、前月比0.3％高）
 

【含みつ糖の輸入動向】
1月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2017年1月の含みつ糖の輸入量は、1151トン（前年同月比16.4％増、前月比2.2倍）であった（図6）。
　輸入先国はタイ、中国、ボリビアおよびフィリピンの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった（図7）。

タイ 　　　　　　  540トン
　（前年同月比36.0％増、前月輸入実績なし）
中国　　　　　  484トン
　（同2.7倍、前月比2.2倍）
ボリビア 　　　102トン
　（同61.1％減、同34.2％減）
フィリピン　　　25トン
　（同32.4％減、同65.8％減）


　

　2017年1月の1トン当たりの輸入価格は、13万1202円（前年同月比7.7％安、前月比7.6％安）となった（図8）。
　国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ　　　　　13万307円 　
　（前年同月比2.2％安、前月輸入実績なし）
中国　 　　12万9424円 　
　（同9.5％高、前月比13.1％高）
ボリビア　13万6833円 　
　（同5.8％安、同0.9％安）
フィリピン 16万1960円 　
　（同32.3％高、同9.6％高）

【加糖調製品の輸入動向】
1月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや増加
　財務省「貿易統計」によると、2017年1月の加糖調製品の輸入量は、4万4114トン（前年同月比4.9％増、前月比13.2％減）となった（図9）。
　品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品 　　　　1万1975トン 　
　（前年同月比1.6％増、前月比9.0％減）
ココア調製品 　　　　　　8824トン 　
　（同23.8％増、同19.3％減）
ソルビトール調製品 　　8373トン 　
　（同3.4％減、同20.4％減）
調製した豆（加糖あん） 5486トン 　
　（同17.5％増、同1.6％減）
穀粉調製品　　　　　　　3232トン 　
　（同10.9％減、同23.4％減）
コーヒー調製品　　　　　　34トン 　
　（同3.3％減、同8.9％増）
その他調製品　　　　　6192トン 　
　（同1.1％増、同3.2％減）

【市場価格】
砂糖は前月から3円値上がり 〜本グラニュー糖（大袋、東京）は平成に入って初めて200円台〜
　2月の糖種別・地域別の砂糖価格（日経相場）は次の通りであった。

上白糖（大袋）
東京 1キログラム当たり192〜196円
大阪　 同193〜196円
名古屋 同196〜199円
関門 同196〜199円

上白糖（小袋）
東京 1キログラム当たり205〜206円
大阪 同207円

本グラニュー糖（大袋）
東京 1キログラム当たり197〜201円
大阪 同198〜201円
名古屋 同201〜204円

ビート・グラニュー糖（大袋）
東京 1キログラム当たり192〜196円
大阪 同193〜196円
名古屋 同194〜197円

　2月の異性化糖の価格（日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25％）は、次の通りであった。

果糖分42％もの 　
1キログラム当たり131〜132円
果糖分55％もの 　　　　　　　　　
同137〜138円

【小売価格】
2月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で25.2円
　KSP−POSデータ（全国535店舗）によると、スーパーにおける2月の上白糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、191.2円（前年同月差2.5円高、前月差0.4円高）であった。

　同月の地域別^（注）の平均小売価格は次の通りであった。
北海道  　　196.4円 　
　（前年同月差1.7円高、前月差6.9円高）
東北　　　　195.4円 　
　（同2.9円高、同0.3円安）
関東など 　180.5円 　
　（同3.5円高、同3.8円高）
首都圏 　 　193.9円 　
　（同8.5円高、同0.5円安）
中部　  　 　178.5円 　
　（同1.3円安、同1.4円安）
関西　　　　190.8円 　
　（同0.1円高、同1.8円安）
中国・四国 203.7円 　
　（同5.0円高、同0.8円安）
九州・沖縄 190.0円 　
　（同3.0円安、同0.3円高）

　最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は25.2円であった。

（注）地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など：茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏：東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中　部：新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関　西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

2月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で79.9円
　KSP−POSデータ（全国535店舗）によると、スーパーにおける2月のグラニュー糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、239.5円（前年同月差3.7円高、前月差1.0円高）であった。
　同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった。

北海道 　　　194.9円 　
　（前年同月差1.7円高、前月差1.9円高）
東北　　　　　274.8円 　
　（同6.0円高、同1.6円高）
関東など 　　245.6円 　
　（同0.5円安、同0.1円安）
首都圏 　　　244.9円 　
　（同6.5円高、同1.6円高）
中部 　　　　251.1円 　
　（同1.8円高、同1.5円高）
関西 　　　　230.0円 　
　（同2.1円高、前月同）
中国・四国 252.1円 　
　（同6.7円高、前月差0.7円安）
九州・沖縄 219.5円 　
　（同1.5円高、前月同）

　最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は79.9円であった。

2月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で50.5円
　KSP−POSデータ（全国535店舗）によると、スーパーにおける2月の三温糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、234.5円（前年同月差3.6円高、前月差0.9円高）であった。
　同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった。

北海道 　　238.1円 　
　（前年同月差0.2円高、前月差2.0円安）
東北　　　　256.9円 　
　（同1.4円安、同1.0円高）
関東など 　240.6円 　
　（同2.9円高、同0.3円安）
首都圏 　　232.4円 　
　（同5.5円高、同3.5円高）
中部　　　　226.3円 　
　（同1.4円高、同0.6円高）
関西　　　　231.2円 　
　（同5.3円高、同2.1円高）
中国・四国 248.7円 　
　（同11.2円高、同1.8円安）
九州・沖縄 206.4円 　
　（同1.6円安、同0.3円高）

　最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は50.5円であった。

【購入金額および購入量】
1月の砂糖の支出金額および購入数量ともに前年同月からやや減少
　総務省「家計調査」によると、2017年1月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は32で、1世帯（2人以上）当たりの支出金額は、79円（前年同月比4.8％安、前月比47.0％安）となった（図10）。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、330グラム（同4.1％減、同51.5％減）となった（図11）。