【生産量】
2016/17年度(10月〜翌9月)の主要国の砂糖生産量については、最大生産国であるブラジルが、4006万トン(前年度比1.1%減)とわずかな減少が見込まれている(
図2)。これは、天候不順のため年度を跨いで収穫する面積が多く含まれた前年度に対し、今年度はその部分があまりないと見込まれ、サトウキビ収穫面積の減少が予測されているためである。
また、インドは、主要生産地域であるマハラシュトラ州やカルナタカ州において干ばつの影響によるサトウキビ生産量の減少により、製糖工場が早期の操業終了を余儀なくされていることから、2250万トン(同17.8%減)と大幅な減少が見込まれている。さらに、タイも、1000万トン(同0.2%減)と前年度並みにとどまり、中国の増産により、生産量第5位に転ずると見られている。
一方、ロシアは、てん菜栽培面積の拡大や生育時期の天候に恵まれたことによる単収の向上から、658万トン(同14.3%増)とかなりの増加が見込まれている。また、パキスタンは、サトウキビ栽培面積の拡大に伴い、604万トン(同8.5%増)とかなりの増加が見込まれている。
【輸入量】
2016/17年度の主要国の砂糖輸入量については、政府が備蓄在庫の放出を開始したことにより、中国が402万トン(前年度比35.2%減)と大幅な減少が見込まれている。そのため、インドネシアが408万トン(同4.7%減)とやや減少するものの、中国を抜き最大の輸入国になると見込まれている。
また、砂糖の増産が見込まれているEUや米国も、それぞれ315万トン(同15.4%減)、274万トン(同9.2%減)と、ともにかなりの減少が見込まれている。
一方、インドは、213万トン(同11.8%増)とかなりの増加が見込まれている。この背景には、輸入関税の撤廃もしくは引き下げが行われる可能性がある。
【消費量】
2016/17年度の主要国の砂糖消費量については、経済成長や人口増加の著しいアジア圏で増加が見込まれており、最大消費国のインドは2820万トン(前年度比1.3%増)、第3位の中国が1725万トン(同1.1%増)と見込まれている。また、インドネシアとパキスタンは、旺盛な国内需要によりそれぞれ694万トン(同2.3%増)、549万トン(同3.0%増)と、ともにやや増加が見込まれている。
【輸出量】
2016/17年度の主要国の砂糖輸出量については、最大輸出国であるブラジルが、生産量の減少に伴い2766万トン(前年度比7.2%減)とかなりの減少が見込まれている。
また、インドは、高騰する国内砂糖価格の安定化を図るため、政府が輸出関税の導入や製糖企業に対する保有在庫の上限設定を行っていることなどから、146万トン(同64.5%減)と大幅に減少し、前年度の第3位から第7位に転ずると見込まれている。
一方、メキシコとキューバは、砂糖の増産などに伴いそれぞれ149万トン(同17.5%増)、100万トン(同25.0%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。