さらに、「沖縄県産黒糖をもっとPRしてほしい」は、「黒糖が持つ健康効果を示してほしい」(0.53)、「栄養面で他の砂糖との違いを示してほしい」(0.49)、「どのような時に黒糖を食べるとよいか教えてほしい」(0.45)、「黒糖に合う料理について教えてほしい」(0.54)で相関が高く、沖縄県においても、黒糖の効果や使い方について情報が不足していることが明らかとなった。続いて、首都圏で相関係数が高い項目は、「近所のスーパーやコンビニで気軽に買いたい」と「黒糖を今より安い価格で買いたい」(0.56)で高い相関を示しており、首都圏では比較的高級品として認識され、日常生活で気軽に購入したいニーズを持っていると考えられる。また、「黒糖に合う料理について教えてほしい」と「どのような時に黒糖を食べるとよいか教えてほしい」(0.52)の相関も高く、購入してもらうためには、黒糖を使った料理方法や食べ方といった情報発信を強化していく必要があると考える。
このように、16項目でさまざまな相関を示していることから、さらに潜在的な意識を発見するために、因子分析を用いて分析した。第1因子で因子負荷量の高い項目は、「生産者の顔や製造方法がわかる黒糖が欲しい」「減農薬・減化学肥料で作られたサトウキビの黒糖が欲しい」「外国産黒糖が安くても沖縄県産黒糖が欲しい」「味や風味、食感など高品質な黒糖が欲しい」「味や食感に基準を作ってほしい」「贈答できるような高級な包装もあるといい」「沖縄県産黒糖をもっとPRしてほしい」「黒糖の製造方法を見てみたい」であり、安心・安全や品質の良さを求めていることから、「安心・品質ニーズ」とした。
第2因子で因子負荷量の高い項目は、「どのような時に黒糖を食べるとよいか教えてほしい」「黒糖に合う料理について教えてほしい」「使い勝手のよい形状や形態にしてほしい」「黒糖を今より安い価格で買いたい」「近所のスーパーやコンビニで気軽に買いたい」ということから、日常生活での使いやすさや購入しやすさに関連する項目が高いため、「日常消費ニーズ」とした。
第3因子で因子負荷量の高い項目は、「栄養面で他の砂糖との違いを示してほしい」「黒糖が持つ健康効果を示してほしい」「成分表示をわかりやすく伝えてほしい」から、「機能性ニーズ」とした。
さらに、属性別の意識の違いを把握するため、各属性別に因子分析の平均得点を算出した(
図)。