英国の調査会社Agra CEAS Consulting(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2017年9月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、1億7778万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、前年度比1.8%増)とわずかな増加が見込まれている(
表1)。これは、主にアジアや南米以外の主要地域で、生産量の増加が見込まれているためである。特に、前年度に在庫抑制などの要因から大幅減産となったEUは、2017年9月末の生産割当廃止を見越して、前年度比12.8%増と見込まれている。
一方、同年度の世界の砂糖消費量は、人口増加や経済成長に伴い、アフリカやアジアで堅調に推移していることから、1億8051万トン(同0.4%増)と見込まれ、前年度に続き生産量を上回ると予想されている。
そのため、期末在庫率は前年度から2.8ポイント低下し、37.4%と見込まれている。なお、地域別の砂糖需給は
図1の通りとなっている。