【生産量】
2016/17年度(10月〜翌9月)の主要国の砂糖生産量を国別に見ると、世界最大の生産国であるブラジルが、4012万トン(前年度比1.0%減)とわずかな減少が見込まれている(
図2)。これは、前年度のサトウキビの収穫には、天候不順のため年度をまたいで行われていたものも多く含まれていたのに対し、今年度はその部分があまりないと見込まれ、収穫面積の減少が予測されているためである。また、インドは、主要生産地域であるマハラシュトラ州やカルナタカ州において、干ばつの影響によるサトウキビ生産量の減少により、2210万トン(同19.3%減)と大幅な減少が見込まれている。
一方、中国は、主要生産地での増産により、1010万トン(同6.7%増)とかなりの増加が見込まれている。また、パキスタンは、綿花からサトウキビへの作付け転換の進展に加え、単収の向上により、770万トン(同38.4%増)と大幅な増加が見込まれている。さらに、ロシアは、てん菜栽培面積の拡大や生育時期の天候に恵まれたことによる単収の向上から、669万トン(同16.0%増)と大幅な増加が見込まれている。
【輸入量】
2016/17年度の主要国の砂糖輸入量を国別に見ると、消費量の増加が見込まれるインドネシアが519万トン(前年度比9.4%増)とかなり増加し、最大の輸入国になると見込まれている。
一方、中国は、政府による備蓄在庫の放出や輸入関税の引き上げにより、392万トン(同36.8%減)と大幅な減少が見込まれている。インドは、干ばつ被害による在庫不足を受けて、政府が上限数量を設けた輸入関税減免措置を講じていることから、317万トン(同66.7%増)と大幅な増加が見込まれている。EUは生産量が増加し、域内の砂糖価格が下落傾向にあるため、297万トン(同20.9%減)と大幅な減少が見込まれている。
【消費量】
2016/17年度の主要国の砂糖消費量については、最大消費国のインドが、国内砂糖価格の高騰などに伴い2630万トン(前年度比2.6%減)とわずかな減少が見込まれている。また、中国は、トウモロコシの臨時備蓄政策の停止によるトウモロコシ価格の低下に伴い、異性化糖需要が高まったことから、1674万トン(同3.1%減)と減少が見込まれている。
一方、インドネシアとパキスタンは、旺盛な需要によりそれぞれ757万トン(同8.2%増)、554万トン(同4.0%増)と、ともに増加が見込まれている。
【輸出量】
2016/17年度の主要国の砂糖輸出量については、最大輸出国であるブラジルが、生産量の減少に伴い2850万トン(前年度比4.4%減)とやや減少が見込まれている。タイは、中国向けの減少などに伴い、684万トン(同12.4%減)とかなりの減少が見込まれている。また、インドは、高騰する国内砂糖価格の安定化を図るため、政府が輸出関税の導入や、製糖企業に対する保有在庫数量への上限値の設定を行っていることなどから、217万トン(同47.2%減)と大幅な減少が見込まれている。
一方、メキシコとキューバは、砂糖の増産などに伴いそれぞれ130万トン(同2.6%増)、104万トン(同30.0%増)と、ともに増加が見込まれている。