3. 国際価格の動向
最終更新日:2017年10月10日
3. 国際価格の動向
2017年10月
ニューヨーク粗糖相場の動き(8/1〜9/15)
〜1ポンド当たり12.94セントまで下落するも、
エタノール需要の高まりなどから同14セント台まで上昇〜
ニューヨーク粗糖先物相場(期近10月限)の2017年8月の推移を見ると、ブラジルのサトウキビ圧搾量がかなり増加するとの予測や米国と北朝鮮が対決姿勢を強める中で取引市場全体に不透明感が増大したことなどから、11日には1ポンド当たり13.20セントまで下落した。14日には、干ばつが続くブラジルのサトウキビ生産地における連続降雨の予報を受け、収穫作業の遅延が見込まれたことから、同13.50セントと、10日ぶりに反発した。その後、同国での一層の増産が見込まれたことから続落し、16日には6月以来の安値となる同12.94セントまで落ち込んだ。17日には、インドのモンスーン被害や、ブラジルの一部地域での洪水の発生などを受け、サトウキビの収穫が遅れることが見込まれたため、同13.29セントと反発した。さらに、ブラジル通貨レアルが米ドルに対し高値で推移したことや、エタノールへの輸入関税の導入により、サトウキビのエタノール仕向け割合の増加が見込まれたことが押し上げ要因となり、24日には同14.02セントまで上伸した。その後、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)(注)が発表した同国中南部のサトウキビ圧搾実績が市場の予想を下回ったことなどから、28日には同14.31セントの値を付け、31日には、ブラジル国営石油公社ペトロブラスによるガソリンおよびディーゼル用燃料価格の引き上げ報道を受けて、同14.40セントまで上昇した。
市場は、8月末に価格が上値に達したとして、9月に入ると、1日は同13.75セントへ急落したが、インド政府が粗糖30万トンの低関税での輸入を許可したことやレアル高が押し上げ要因となり、6日には同14.29セントに上伸した。7日は、インドの砂糖生産量が回復するとの見通しから同14.03セントへ下落したが、大型ハリケーン「イルマ」によるカリブ海諸国や米国フロリダ州などの砂糖生産地域への影響の懸念から、11日には同14.29セントに上昇した。その後、ブラジルのエタノール需要の高まりから上伸し、15日には約1カ月半ぶりの高値となる同14.55セントの値を付けた。
(注)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。
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