2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、 輸入量は大幅減の見込み
2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)は、サトウキビについては、収穫面積が183万ヘクタール(前年度比10.0%増)、生産量が1億2652万トン(同7.9%増)と、ともにかなりの増加が見込まれている(
表4)。これは、最大生産地域である広西チワン族自治区や海南省における栽培面積の増加と良好な生育に伴う単収の増加が要因である。
てん菜についても、収穫面積は15万ヘクタール(同10.0%増)とかなり増加し、生産量は771万トン(同5.0%増)とやや増加が予想されている。地域別に見ると、特に、主要生産地である内モンゴル自治区で増加している。これらにより、砂糖生産量は、1010万トン(同6.7%増)とかなりの増加が見込まれている。
中国砂糖協会(CSA)が発表した2016/17年度の生産実績報告によると、砂糖生産量は、サトウキビおよびてん菜の栽培面積拡大により、精製糖換算で929万トン(同6.8%増)とかなり増加した(
図3)。このうち、甘しゃ糖は824万トン(同5.0%増)、てん菜糖は105万トン(同23.2%増)と、ともに増加している。
中央政府は2016年10月以降、入札により備蓄砂糖を国内企業へ売り渡しており、2017年1月時点で合計約65万トンが市場に放出された。現地報道によると、2017年9月に広西チワン族自治区で33万トン、その他にも37万トンが売り渡されたとみられている。CSAは、2016/17年度に200万トン程度、2017/18年度も同程度の備蓄砂糖の放出を見込んでいた。
砂糖輸入量は、392万トン(同36.8%減)と見込まれている。2017年5月22日から2020年5月21日までの3年間、世界貿易機関(WTO)協定に基づく関税割当(194万トン、関税率15%)の枠外で輸入される砂糖の関税率を、95%まで引き上げたことによる
(注)。枠外税率は、毎年度5%ずつ引き下げられる予定であるが、ミャンマーなどからの「非公式な」砂糖の流入および第三国経由での輸入量の増加が懸念されていることから、中央政府は、今後も国境での監視を強化するとしている。
2017/18年度の砂糖生産量、輸入量ともに大幅増の見込み
2017/18年度は、サトウキビについては、収穫面積が193万ヘクタール(前年度比5.5%増)とやや増加し、生産量は単収の増加に伴い、1億3700万トン(同8.3%増)とかなりの増加が見込まれている。
てん菜についても、収穫面積は20万ヘクタール(同30.9%増)、生産量は1100万トン(同42.8%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。地域別では、主要生産地である内モンゴル自治区の増加が見込まれている。これらにより、砂糖生産量は、1210万トン(同19.8%増)と大幅な増加が見込まれている。
砂糖輸入量は、期首在庫量が低水準にある上、依然として生産量が消費量を下回ると見込まれていることから、575万トン(同46.7%増)と大幅な増加が見込まれている。
(注)海外からの安価な砂糖の流入により、国内の砂糖産業に影響が生じているとして、ブラジル、豪州および韓国などの砂糖輸入先国を対象に実施した調査結果を踏まえ、50%であった枠外税率が95%に引き上げられた。ただし、開発途上の約190の国や地域(フィリピンやパキスタンといった従来中国と関係の深い貿易相手国を含む)については、一定の条件を満たせば対象外とされている。