新年のごあいさつ
最終更新日:2018年1月10日
新年のごあいさつ
2018年1月
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
alicの業務につきまして、旧年中は皆さまのご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
昨年は、梅雨期の九州北部豪雨や秋に日本列島を縦断した台風18号などにより、多くの方が被災されたほか、農作物、農畜産業関連施設にも多大な被害が発生しました。被害に遭われた皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
さて、わが国の農林水産業をめぐっては、グローバル化が一層進展する中、昨年も環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、日EU経済連携協定(EPA)など、さまざまな動きがありました。
1月に米国大統領に就任したトランプ大統領の下、米国がTPP協定から離脱しましたが、11月には米国を除くTPP署名11カ国により、包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)が大筋合意され、署名に向けた準備が進められています。また、7月にはEUとの間でEPAの大枠合意に至り、12月に交渉が妥結しました。
政府は、これらの動きを踏まえて農林水産業の国際競争力をさらに強化するため、11月下旬に「総合的なTPP等関連政策大綱」(平成29年11月24日TPP等総合対策本部)を決定しました。今後、同大綱に基づく対策に係る関連法案の国会審議など必要な手続きが進められると聞いております。
alicとしては、協定発効と同時に施行される砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に基づく新たな制度の運用について、関係者に対して適切な周知を行うとともに、その円滑な実施に万全を期する所存です。
国内生産に目を向けますと、平成29年産について、北海道では28年夏の台風による大雨で表土が流出するなどの大きな被害を受けたことから、生産意欲の低下などが懸念されましたが、行政、JA、生産者など関係者の皆さまの努力により被災した農地の復旧が進み、てん菜およびばれいしょの作付面積は前年産並みの水準が確保されました。加えて、生育期間を通じて天候がおおむね良好に推移したことから、生産量の回復が見込まれ、全体として見通しに明るさが感じられます。
他方、鹿児島県や沖縄県では、台風被害が発生したほか、春先の低温とその後の干ばつの影響により生育が鈍化したことなどから、サトウキビおよびでん粉原料用かんしょの生産量は28年産と比べると減少する見通しです。近年では増産に向けた取り組みが地域や組織を問わず多数行われ、産地の底力と力強さが発揮されつつあるものの、異常気象が増えている現況下においては、自然災害の予測の難しさ、備えの大切さを改めて痛感したところです。
消費面では、わが国の緩やかな景気回復などに支えられ、でん粉の需要量はほぼ横ばいで推移しています。一方、砂糖の需要量は、加糖調製品などとの競合により、低下傾向が懸念されるところです。近年の健康志向の高まりなどにより、糖質の摂取を控える食事法や糖質を抑えた商品が受け入れられるようになってきていることから、需給動向に影響を与える要素として引き続き注視するとともに、科学的知見に基づいた客観的かつ中立的な視点での情報提供に努めて参ります。
alicは、国の重要な施策を担う機関として、これまでもその時々に求められた役割を果たすべく、さまざまな事業を機動的かつ効率的に実施して参りました。本年4月からは、第4期目となる新たな中期目標期間を迎えます。新たな中期目標期間においても、これまでに培ったノウハウなどを生かしつつ、alicに与えられた役割を確実に果たしていきたいと考えております。引き続き、皆さまのご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
本年が皆さまにとって希望に満ちた明るい年となりますことをご祈念申し上げ、新年のあいさつと致します。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272