まず動脈硬化に関係すると思われる中性脂肪、全コレステロール、LDL-コレステロール、レムナントコレステロールは、いずれも中高年者の方が若年者より高かった。特に中性脂肪は男性の方が女性より高い値を示した。一方、HDL-コレステロールの値は女性の方が男性よりも高かった。HDL-コレステロールは動脈硬化を予防すると考えられる。つまり、中高年の男性の方が女性より心血管障害、脳血管障害になりやすいことが血液所見の比較からも確かめられた。
われわれは、すでに若年男女、中高年男女でショ糖、甘味料入り飲料の摂取はBMIと関係しない、つまり肥満につながらないことを示している
6)。菓子類の摂取に関しても同様にBMIに影響を与えなかった。
では、血液所見に対する影響はどうだろうか。ショ糖、甘味料入り飲料の摂取は若年男性のみに血糖値の増加を、菓子類の摂取は中高年男性のみインスリン値の増加をもたらしている(
表3、
図2)。インスリンの増加は肥満をもたらすことが広く知られている
7)。しかし、見方によればインスリンを出しやすくなるというのは糖尿病を予防する結果にもつながるのである。さらにこの程度のインスリンの増加はBMIの増加につながらないと考えられるので、男性も健常者の場合にはショ糖、甘味料入り飲料の摂取が肥満を引き起こしてはいないことが分かる。