【生産量】
2017/18年度(10月〜翌9月)の主要国の砂糖生産量を国別にみると、世界最大の生産国であるブラジルが、3952万トン(前年度比2.1%減)とわずかな減少が見込まれている(
図2)。これは、降雨による圧搾作業の遅れや原油価格の上昇によるサトウキビのエタノールへの仕向け割合の増加が予測されているためである。
一方、インドやEU、タイ、中国といった生産量上位国はいずれも増加が見込まれている。特に、インドとタイは、好天による製糖歩留まりの向上が見込まれるため、それぞれ2720万トン(同23.1%増)、1200万トン(同16.5%増)と、ともに大幅な増加が見込まれ、タイは過去最高に達すると予測されている。EUは、2017年9月末の生産割当廃止により、域内主要生産国での増産が見込まれるため、2096万トン(同23.8%増)と大幅な増加が見込まれている。中国は、主要生産地における増産により、1109万トン(同9.8%増)とかなりの増加が見込まれている。パキスタンは、綿花からの作付け転換の進展に加え、単収の向上により、841万トン(同9.2%増)と、前年度に引き続き、かなりの増加が見込まれている。
【輸入量】
2017/18年度の主要国の砂糖輸入量を国別にみると、期首在庫量が低水準にある中国が577万トン(前年度比58.3%増)と大幅に増加し、最大の輸入国になると見込まれている。消費量の堅調な増加が前年度に引き続き見込まれるインドネシアは、512万トン(同1.9%増)とわずかな増加が見込まれている。米国は、主要生産地域におけるハリケーンや洪水、干ばつなどの被害により生産量が減少するため、337万トン(同15.5%増)とかなりの増加が見込まれている。
一方、EUは生産量の増加に伴い域内の砂糖価格が下落傾向にあるため、226万トン(同28.8%減)と大幅な減少が見込まれている。また、インドは、干ばつ被害からの回復による増産が見込まれているため、200万トン(同21.5%減)と大幅な減少が見込まれている。
【消費量】
2017/18年度の主要国の砂糖消費量は、世界的に増加が見込まれている。経済成長や人口増加の著しいアジア圏での増加が見込まれ、最大消費国のインドが、2750万トン(前年度比3.7%増)、中国が1750万トン(同4.5%増)、インドネシアが788万トン(同4.2%増)とそれぞれやや増加、パキスタンが570万トン(同2.9%増)とわずかな増加が見込まれている。米国やロシアも、それぞれ1139万トン(同2.2%増)、641万トン(同1.0%増)といずれもわずかな増加が見込まれている。
【輸出量】
2017/18年度の主要国の砂糖輸出量については、最大輸出国であるブラジルが、生産量の減少に伴い2677万トン(前年度比5.4%減)とやや減少が見込まれている。また、インドは、2015年末から高騰する国内砂糖価格の安定化を図るため、2016年6月に輸出関税が導入されるとともに、2017年4月以降、貿易業者が保有する在庫数量に上限を設定するなどの措置が講じられたことから、150万トン(同30.3%減)と大幅な減少が見込まれている。
一方、過去最高の生産量が見込まれるタイは、台湾向け輸出の増加などに伴い、788万トン(同11.4%増)とかなりの増加が見込まれている。EUとキューバは、砂糖の増産などに伴いそれぞれ154万トン(同4.6%増)、120万トン(同15.4%増)と、ともに増加が見込まれている。