2017/18年度の砂糖生産量はわずかに減少、輸出量はやや減少の見込み
2017/18砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ収穫面積は40万ヘクタール(前年度比1.8%増)とわずかな増加が見込まれているものの、3月に襲来したサイクロンの影響による単収の減少から、生産量は3343万トン(同8.4%減)とかなりの減少が見込まれている(
表6)。砂糖生産量は、製糖歩留まりの向上が見られることから、488万トン(同1.0%減)と見込まれている。輸出量は、中国向けなどの減少に伴い370万トン(同5.6%減)とやや減少が見込まれている。
豪州砂糖製造業者協議会(ASMC)は、2017/ 18年度のサトウキビ圧搾量見込みを3342万トンと、生産回復を反映し、11月中旬時点の予測から3万7000トン上方修正している。サトウキビの圧搾作業は、10月のクイーンズランド(QLD)州での記録的な多雨などにより遅延していたが、来年度のサトウキビ生産が後ろ倒しとなるまでの影響はないとみられている。
現地報道によると、Sugar Terminal Limited
(注1)は2018/19年度までに、QLD州バンダバーグの砂糖輸出ターミナルの屋根の改修などに1500万豪ドル(13億500万円〈11月末日TTS:1豪ドル=87円〉)を投資する計画を明らかにした。
また、現地報道によると、QLD州マッカイの製糖企業は12月上旬、QLD州砂糖公社(QSL)
(注2)との砂糖輸出契約について、2019/20年度までで終了する意向を表明した。これに対し、サトウキビ生産者団体Canegrowers Australiaは、同企業が生産者所有企業でありながら、生産者への事前通知や相談もなく一方的に方針を決定したことについて、遺憾の意を表明した。
(注1)QLD州内の製糖企業や生産者が出資し、六つの砂糖輸出ターミナルを所有する企業。
(注2)QLD州産砂糖の輸出を担う公社。同州産砂糖輸出の9割を担っていたが、2015年の砂糖産業法の改正により、2017/18年度以降、製糖企業を介してQSLが輸出するという従来の形態に加え、QSL以外の砂糖輸出企業を生産者が選択できるようになった。