ホーム > 砂糖 > 海外現地調査報告 > 韓国の加糖調製品の生産および対日輸出動向
最終更新日:2018年4月10日
コラム 韓国国内で流通する加糖調製品韓国では、米国の有名コーヒー専門店が進出した2000年ごろを境にコーヒー文化が一気に浸透した。今では日本と同様、街中のコーヒー専門店は常ににぎわいを見せ、仕事の合間などでインスタントや自動販売機のコーヒー飲料を飲んで一息つく人も多い。専門店とコーヒー飲料を合わせたコーヒー市場全体の規模は6兆4041億ウォン(6404億1000万円)となっている(図)。コーヒー飲料の内訳を見ると、缶・ペットボトル入り飲料が半数のシェアを占め、次いでインスタント製品が4割弱を有する。韓国でインスタント製品と言えば、日本人に馴染みのコーヒー豆の抽出液を粉状にしたいわゆるインスタントコーヒーではなく、インスタントコーヒーに粉乳、砂糖を混ぜ合わせたコーヒーミックスと呼ばれる調製タイプのものが一般的である(写真)。日本向けの加糖調製品は価格競争力の高いものが重宝されるのに対し、コーヒーミックスは国内産の乳原料やブラウンシュガーを使用するなどして付加価値を付けた商品が多い。この差は、前者が原材料で、後者が最終製品という形態の違いによるところが大きいことは言うまでもないが、注目すべきは同じ砂糖を配合した調製品でありながら、コーヒーミックスの大半が国内で消費されている点だ。韓国農水産食品流通公社の報告書によると、商標権を有する米国企業との契約により販売地域などが制限されている可能性があり、これが海外展開の障壁になっていると指摘する。 近年、消費者の健康志向の高まりや嗜好の多様化などを背景にコーヒーミックスの消費量は減少傾向にあり、代わって、本格的な味が楽しめるインスタントコーヒーや焙煎されたコーヒー豆などが存在感を高めつつあることから、コーヒーミックスの生産・流通構造は大きな転換期を迎えていると言える。
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