農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社であるLMC Internationalの2018年6月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2017/18砂糖年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、1億9520万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、前年度比8.1%増)と前年度をかなり上回ると見込まれている(
表1)。これは、アジアやヨーロッパなどの主要生産地域において生産が増加するためである。アジアはインドやタイにおける潤沢な降雨により、ヨーロッパはEUの生産割当廃止を受け、それぞれ同31.4%増、同22.7%増と大幅な増加が見込まれている。
同年度の世界の砂糖消費量は、1億7881万トン(同0.4%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。最大の消費国であるインドや中国が、経済成長などを背景に、それぞれ同2.4%増、同0.5%増と堅調に増加するものの、EUやブラジルが、それぞれ同2.6%減、同1.8%減となったことにより、2年連続の前年度割れが見込まれている。
この結果、2年連続で生産量が消費量を上回り、世界の砂糖需給は引き続き緩和傾向で推移すると見込まれている。そして、期末在庫率は前年度から6.3ポイント増加し、42.9%と見込まれている。なお、地域別の砂糖需給は、
図1の通りである。