【生産量】
2017/18年度の砂糖生産量を国別に見ると、世界最大の生産国であるブラジルは、北部で乾燥した天候が続いていることに加え、原油価格の上昇によりエタノール需要が増加していることなどが影響して、4149万トン(前年度比0.4%減)とわずかな減少が見込まれている(
図2)。一方、インドとタイは、潤沢な降雨による単収増加を背景に、それぞれ3429万トン(同56.9%増)、1564万トン(同46.7%増)と大幅な増加が見込まれている。
また、EUも、生産割当の廃止による域内主要生産国の増産を受け、2154万トン(同22.7%増)と大幅な増加が見込まれている。そして、中国は、 2月に主要生産地の広西チワン族自治区で降霜が観測されたものの、作付面積が増加したことから、1103万トン(同11.5%増)とかなりの増加が見込まれている。
【輸入量】
中国とインドは、国内生産量の大幅な増加を受け輸入需要が減少するとみられることから、それぞれ532万トン(前年度比8.8%減)、200万トン(同18.6%減)と減少が見込まれている。また、インドネシアは、474万トン(同17.4%減)と前年度を大幅に下回り、第2位に後退するとみられている。
一方、米国は、生産量が増加しているものの、一人当たり消費量の増加に伴う需要増を受け、314万トン(同6.7%増)とかなり増加すると見込まれている。
【消費量】
最大消費国のインドでは2722万トン(前年度比2.4%増)、中国では1693万トン(同0.5%増)、インドネシアでは691万トン(同3.2%増)と、経済成長著しいアジア圏を中心に、それぞれ増加が見込まれている。一方で、大消費地域の一つであるEUやブラジルでは、それぞれ1833万トン(同2.6%減)、1130万トン(同1.8%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。
【輸出量】
最大輸出国であるブラジルは、生産量がわずかに減少するものの、国内消費の減少もあり、輸出量は3079万トン(前年度比2.2%増)とわずかな増加が見込まれている。インドやパキスタンでは、国内砂糖供給のダブつきを抑制するために輸出関税が撤廃されたことなどもあり、それぞれ254万トン(同13.9%増)、216万トン(同2.8倍)と増加が見込まれている。タイについても、ここ2年の乾燥した天候が改善したことで生産量が増加するとの見通しを受け、1097万トン(同48.4%増)と大幅な増加が見込まれている。そして、EUも、生産割当の廃止に伴い輸出上限が撤廃されたことから、381万トン(同2.5倍)と大幅な増加が見込まれている。
一方、豪州は、2017年3月のサイクロン被害に伴う生産減を受け、359万トン(同10.5%減)とかなり減少すると見込まれている。