ニューヨーク粗糖先物相場(期近7
月限)の2018年5月の推移を見ると、インド政府がサトウキビ生産者に対し、出荷量に応じた補助金を交付する計画を承認したとの報道を受け、供給過剰への懸念から、3日以降下落が続き、7日には1ポンド当たり11.32セント
(注1)まで値を下げた(
図3)。翌日は買い戻しの動きが入り反発したものの、その後、11日には同11.22セントまで値を下げる展開となった。
週明けの14日は、ブラジルでの降雨による、収穫遅れの懸念から小幅に上昇した。翌15日には、インド政府により砂糖の調整保管が実施されるとの報道などを受け、買い戻しの動きが強まり、同11.52セントまで上昇した。さらに21日には、ブラジルでトラック運転手らによるストライキが実施され、物流が一時的に混乱し供給不安が高まったことから、同12.10セントまで上昇した。上昇はその後も続き、31日には同12.79セントまで値を上げた。
6月に入ると、ブラジルのストライキが収束し、主産地での収穫作業が再開したことから、砂糖の世界的な供給過剰懸念が再燃したことで下落に転じ、7日には同11.73セントまで値を下げた。その後、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)
(注2)が公表した5月後半のサトウキビ圧搾量が、市場の予想を下回ったことを受け、11日には同12.35セントまで反転した。しかし、その後は、引き続き米ドル高・レアル安で推移する為替相場の影響を受け、15日には同12.02セントへ続落した。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。