2017/18年度、砂糖生産量、輸出量ともに大幅増の見込み
2017/18砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、キャッサバなどの他作物からの転作を受け、175万ヘクタール(前年度比11.0%増)とかなり大きな増加が見込まれている。生産量は、2年続いた干ばつからの回復による単収の増加などを受け、1億3490万トン(同45.1%増)と大幅な増加が見込まれている(
表8)。
砂糖生産量は、好天による製糖歩留まりの向上もあり、1564万トン(同46.7%増)と大幅な増加が見込まれている。輸出量については、国際相場の低迷などを受け、前月予測から下方修正されたものの、1097万トン(同48.4%増)と大幅な増加が見込まれている。
価格低迷を受け、エタノール仕向けを優先
5月16日付けの現地報道によると、サトウキビと砂糖の国内流通を管理しているサトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)は、製糖業者に割り当てた輸出向け粗糖枠のうち、50万トン余りを、エタノールをはじめとしたバイオ燃料製造に仕向けることを承認した。砂糖の国際相場の低迷が続く中、タイ国内におけるバイオ燃料の需要が増加していることが背景にある。
現地報道によると、輸出に仕向けられる粗糖はおよそ1100万トンで、今回の仕向け変更は、その4%強に相当する量となる。バイオ燃料の原料の一つであるキャッサバの価格が、生産量の減少に伴いこの1年で約2.5倍と急上昇しており、粗糖に対する需要は高まっている。これを受け、バイオ燃料に仕向けられる粗糖の割当数量は、前年度は20万トン、今年度は30万トンと増加している。
なお、タイの現行法では、エタノール原料は糖蜜、粗糖、キャッサバに限定されている。現地では、サトウキビ圧搾汁からのエタノール製造
(注)を認めるよう要請する動きが強まっており、OCSBは、来年には法改正が行われ、圧搾汁からのエタノール製造が可能となる見込みであるとしている。
(注)サトウキビ圧搾汁からのエタノール製造は、カドミウム汚染土壌地域や実験用など、例外的に認められた一部を除き、現在は認められていない。