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機械化の迫る中国から見るサトウキビ品種と機械化の関係

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最終更新日:2018年8月10日

機械化の迫る中国から見るサトウキビ品種と機械化の関係
〜品種の機械化適応性とは〜

2018年8月

琉球大学農学部 寳川 拓生、上野 正実、川満 芳信
中国蘇州市職業大学 孫麗亜  

【要約】

 中国のサトウキビ品種の利用実態は、単一または少数の品種に依存する傾向があり、NCo310やNiF8などに特化した過去の日本の状況と類似している。中国のサトウキビ産業は、労働力不足への対策として植え付けから収穫までの機械化一貫体系の構築を目指しており、それに適した品種の育成が求められている。中国への視察と文献調査を通じ、わが国の状況も加味して、機械化と品種の密な関係(機械化適応性)について考察したので、ここに報告する。

はじめに

 中国の品種や育種に関する文献を検索し、利用実態の把握を試みた。しかし、中国語で書かれたものが多いため、文献のみによる現状把握には限界がある。そこで、著者らは2017年1月および12月に中国を訪問し、広東省生物工程研究所や華南農業大学などのサトウキビ栽培や育種に携わる研究者との交流を通じて、中国における機械化に適応する品種特性(以下「機械化適応性」という)の育種目標に関する知見を得た。これらは、機械化が先行するわが国の品種育成に関しても示唆を与える内容であったのでここに報告する。また、機械化適応性の評価法および関連した栽培体系の改善を提案したい。

1.中国のサトウキビ農業の概況

 中国の甘味資源作物は、北部地域のてん菜と南部地域のサトウキビである。サトウキビは、かつては福建省や四川省でも栽培されていたが、現在は広西チワン族自治区を中心に広東省、雲南省、海南省で栽培、生産されている。これら生産地の気象条件は、海南省(海口)を除き、那覇に比べ冬季は冷涼であり、かつ年間降水量が1800mmを下回る少雨の特徴を有する1)図1)。植え付け時や収穫時の低温害、霜害が問題となり、ビニールマルチを用いた地温維持による発芽・萌芽促進が行われているが、現在のところ、収穫期の立ち枯れには低温耐性品種または早期高糖性品種の育成しか対策はない。中国では天水栽培が主流のため、降水量や干ばつが生産量に著しい影響を与える。少雨地域に対しては、耐乾性品種の育成や節水かんがいの研究が行われている。南方沿岸部には台風も襲来し、折損や倒伏の被害を受けるなどわが国と共通の問題を抱えている。また、労働力の都市部への流出や高齢化による人手不足が深刻となり、収穫期にはベトナムなどの隣国から作業員を雇用している。そのため、収穫機械化などによる省力化、生産維持に大きな期待がかかってい る2)

図1 中国と日本のサトウキビ生産地の気象条件の比較

2.中国におけるサトウキビ品種の利用実態

(1)品種の変遷

 中国のサトウキビ栽培の歴史は2000年も前にさかのぼることができ、品種の変遷はLinら(2010)3)によって詳述されている。1930年以前は、シネンセ種(日本の読谷山(よみたんざん)種と同品種)であるBambooやLuなどが栽培されていたが、1930年代初頭にフィリピンからジャワ系統のPOJ2725とPOJ2878が、豪州からバディラ(高貴種と呼ばれる原種の一つ)も導入され、主要な品種となった。特に、このジャワ系統は太茎種で、ワンダーケーン(驚異のキビ)と呼ばれ、日本にも1920年代後半に台湾から導入され一世を(ふう)()するなど、世界の糖業の発展に貢献した品種である4)。1940年代後半には台湾からF134が導入され、1980年代前半に至るまで主要な品種であった。1970年代から米国のCP系統、豪州のQ系統、台湾の新台糖(ROC)系統など多くの海外育成品種が導入され、特にROC10、ROC16、ROC22は1980年代から2000年代にかけて育種素材だけでなく、商業用品種としても活躍した。

 現在の中国の品種は、ROC系統と粤糖(YT)系統(広東育成)が作付面積の約9割を占め、特にROC22は国全体の作付面積の6.5割、広西チワン族自治区では7割を占めており、多様性を著しく欠いている5)6)。本品種は、1997年の導入から長期にわたって使用されているが、これに代わり得る優良品種の開発や普及は停滞している5)。本品種は、収穫期の低温に弱く糖度が低下する上、株出し能力が低いため、このような品種への単一化が近年の低温や降雨による大幅な減収の原因となっている6)。また、中国では特に病害虫防除が徹底されておらず、品種の単一化は防除技術の確立されてない新病害(虫)が発生した場合、一気にまん延する危険性をはらんでいる5)。最近は、ROC22に比べ、多収かつ株出し能力が高く、低温耐性のある桂糖(GT)系統(広西育成)が育成されるようになった3)6)

(2)健全種苗生産の取り組み

 中国では、植え付け苗の病害虫まん延防止のため、組織培養による健全種苗生産も取り組まれている。これにより、品種の純粋性の維持、異品種の混入(混植)や劣化防止が実現でき、新品種の多収性や高糖性を十分に発揮できるとされている。機械化との関連では、不良苗や低い作業精度による欠株に対して茎数確保のための捕植作業を行うが、人力作業が主で、機械化技術は確立されていない。従って、労働力不足の対策として機械化を推進する上で、健全種苗の生産が補植作業の省略につながる重要な要素と考えられている。

3.中国のサトウキビ育種(機械化向け品種育成を中心に)

 中国におけるサトウキビ育種拠点には、サトウキビが開花する雲南省と海南省、主産地の広西チワン族自治区、広東省がある。中でも、雲南省は気候の多様性から品種保全基地となっている3)7)。これまでの育種により、糖度向上、耐乾性、低温耐性、病害虫耐性などの改良が行われてきた。

 関係者からの聞き取りから推察するに、機械化率が、植え付けに関しては全植え付け面積の15%、収穫に関しては全収穫面積の5%にしか達していないのは、機械開発と栽培技術の問題よりも機械収穫適応品種の育成の遅れが主な原因と認識されているようであった。現在の主要な製糖用品種は、中から太茎で、分げつおよび有効茎数が少なく、株出しも強くないため、いずれも手刈りに適した品種である。収穫機械化率の向上には、従来の高収、高糖、ストレス耐性の追求に加えて、機械化に適合した形態的・生態的特性を考慮した育種目標を設定する必要がある。

 ところで、肝心の機械化適応性に関しては国際的に明確な定義付けはなされていない。わが国では、泉ら(1985)が機械化栽培、特に収穫作業に適した品種の開発が重要であると指摘し、生育や登熟が均一であること▽直立性で倒伏しにくいこと▽脱葉しやすいこと▽茎が太く、あまり硬くないこと−を挙げた8)。また、杉本(1994)は機械化適応性を植え付け、栽培管理、収穫の作業工程に分類して定義した9)。その具体的特性としては、プランタによる植え付けについては高発芽性の多節苗適性を、追肥・中耕・培土などの管理作業の大型機械化については生育初期の曲げに対する折損抵抗性を、さらに、収穫機械化については早期高糖性(製糖期間を考慮して登熟期の異なる品種が必要)、茎揃い性、易脱葉性、風選によっても飛ばされない茎の太さと細断時の品質劣化耐性を挙げた。

 これらに加え、筆者らは、機械化適応性として茎数型および引き抜き耐性(根系の支持能)も重要であると考える。日本の奨励品種で機械化適応性の高い品種は、台湾から導入されたF161、機械収穫を想定して作出されたNi22などがある。なお、2016年に新品種として登録されたRK97-14は伸長旺盛な茎重型であり新植での増収に貢献する品種として期待されているが、現行の栽培方法では自重や強風による倒伏やハーベスタによる引き抜きに弱いなどの難点があり、機械化適応性は低いと指摘されている。このため、植え付けの遅延、夏植えの回避、減肥による台風襲来期までの生育の遅延、強風が当たる場所の回避などの栽培方法の工夫と併せた品種の利用方法を模索する必要がある。

 中国では、各作業工程に求められる品種の機械化適応性を詳細に定義していた。例えば、植え付けについては、芽子が凸で幅広では機械損傷が生じやすいので、これを避けるために芽溝によく陥没する特性を挙げている。また、収穫を含む各管理作業については、発芽や初期成長が良く広い畝間を早く被覆する▽除草剤耐性が高い▽有効茎率が高く茎揃い性が良い▽梢頭部の折損耐性(風折抵抗性)が高い▽分げつ性が高く株出しに強い−などの特性が挙げられた。これらの他に、▽茎の繊維含有量が高く、耐倒伏性が高い▽茎の直立性が高い▽葉鞘が剥がれやすくかつ薄い▽蔗肉(茎の内部組織)が密で糖の劣化耐性が高い−などの特性も挙げられた。このように、わが国で定義された機械化適応性と共通する部分も多く、育種技術や育種材料の交換が双方に有用であるばかりでなく、特に植え付けに係る特性などわが国にはない項目も存在することから、今後の展開も非常に興味深いものがある。

 広東省生物工程研究所では、上述のような機械化適応性の高い品種として、広東西部および北部向きの粤糖00-236、粤糖55、粤糖94-128、粤引11、福□(=農の簡体字)15、福□39、桂林中部向きの粤糖55、粤糖94-128、桂糖29、柳城05-136、福□38などが育成されている。中国での栽培条件はわが国よりはるかに多様で、基盤整備もほとんど行われていない。このため機械化に関しても機械の種類やサイズ、機械化体系にも多様な形態が見られ、これに合わせて品種の多様化も求められるものと思われる。

4.機械化に適した品種特性の考え方と評価法

(1)機械化適応性の考え方

 以上のように、わが国と中国の育種の機械化適応性を分析すると、具体的に数値化できるものが少なく、抽象的な(定性的な)表現にとどまる()。また、一部の項目については、品種特性による形態の違いと栽培方法や環境の違いによる形態の変化との区別が不明瞭であることも、機械化適応性を不明瞭にしているかもしれない。今後、機械化適応性に係るサトウキビの形態的・生態的特性を数値化して定量評価を行うことが、効率的な育種の展開に貢献すると考える。ここでは、機械化適応性に関する基本的な検討項目を次のように整理しておく。

 (1)作業性能(作業能率、作業精度)の確保:機械作業がスムーズで、トラッシュやロスが少ないこと
 (2)収量の確保:機械作業による植物体の損傷が少なく、発芽・萌芽性が良く、収穫時の株の引き抜きや踏み荒らし、土壌踏圧などによる減収が少ないこと
 (3)機械化一貫体系への配慮:収穫だけでなく、植え付けなどその他の機械作業にも適用できること
 (4)機械サイズおよび機械の種類への配慮:小型体系と大型体系に歴然と見られる作業性能の差に対応できること
 (5)経営的視点:機械化に伴う規模拡大や省力化による経営環境の変化に対応できること

 これらのうち、従来検討されてきた(1)と(2)以外は比較的新しい項目と言える。わが国の収穫機械化を大きく前進させたのは、小型ハーベスタの実用化である。狭小な()(じょう)においても収穫できるので利用可能な範囲が広く、短期間の内に普及が進んだ。ほとんどの圃場で問題なく使用されてきたが、最近まれにみる豊作となった平成27/28年期の高単収圃場では苦戦を強いられた。このことから、大型ハーベスタに比べて刈り取り能力の低い小型機種の特徴を想定した育種が求められる(項目(4))。(3)との関連では、今後の普及が予想されるビレットプランタ(植え付け機)は、手植えに比べて多量の苗を必要とする。それを節減するには発芽性および発根性の良い品種が望まれる。(5)に関しては、100%の機械化率を達成し、なおかつ、単収が微増または維持している豪州の事例にヒントがあるかもしれない。

表 サトウキビの機械化適応性

(2)機械化適応性とスマート育種

 ある品種の機械化適応性を総合評価するには、育種の過程で実際に機械作業を行ってみるのが最も確実な方法であろう。これは各種の制約で不可能に近いので、サトウキビの形態的特徴を測定して推定するしかないが、これらの測定データと実際の機械作業との関係ははっきりしていない。そこで、リリース済みのできるだけ多くの品種について実際に機械化一貫作業を実施し、作業性能、収量、糖度、株出し性などをモニターし、これらのデータおよび当該品種の遺伝情報をベースに、育種中および計画中の系統の遺伝情報などから機械化適応性を間接的に推定する方法を提案したい。モニターデータは多いほど良いので多くのオペレーターに協力を仰いでビッグデータを収集する。ハーベスタなどに全地球測位システム(GPS)データ収集センサーを搭載すれば、オペレーターの手を煩わさなくてもモニターデータの収集が可能となる。これらのビッグデータの解析(評価)に人工知能(AI)解析を活用すれば、短時間でより客観的な品種性能が評価でき、育種の加速化が期待される。このようなプロセスによって、機械作業に適応する形態的影響因子が次第に把握でき、ゆくゆくは簡便な指標で機械化適応性が評価できるようになるかもしれない。このような手法は、機械化適応性だけでなく、その他の育種目標も含めた総合的なスマート育種アプローチとなり得る。

5.機械化に適した新規栽培方法の提案

 機械化適応性のうち、栽培方法によって改善が見込まれる特性に、茎数や耐倒伏性、引き抜き耐性が挙げられる()。これらを強化する栽培方法として2条植えと異品種の混植を挙げたい。以下にその詳細に関し、事例を挙げて紹介する。

(1)2条植えまたは幅広植え栽培

 中国で多種類の2条植えプランタを見聞した。2条植えは豪州など大規模生産地の大型ハーベスタに適したスタンダードな栽培技術である。そこで、2条植えの考え方と条件の異なる日本への導入可能性について検討した。

 南西諸島では、植え付け、栽培管理、収穫作業の機械化が進み、それに合わせて畝間が拡張された。畝間の拡張は、単位面積当たりの植え付け茎数、収穫茎数の減少をもたらし、大型機械による土壌踏圧と併せて単収低下の要因となると懸念されている。そのため、2条植えによる茎数増加の取り組みがなされた。2条植えの条間は機械的にはハーベスタのベースカッタの間口の幅で決定される。2条植えでは条間への十分な培土が重要である。南北大東島のように重粘な土壌が広がる地域では、現行の機械では条間への培土が不十分となり、M字型の畝となるケースが多い(図2)。そのため、大型機械化地域の南北大東島では、現行の1条植えと同様の栽培方法で管理していることもあり、2条植えの導入は成功していない。一方、種子島では数戸の農家で2条植えが行われており、黒ボク土でかつ深溝植えすることによって条間への培土が十分となり、これが2条植え導入の成功の要因であると考えられる。

 これらにより、2条植えの導入に際しては、栽培地域の環境条件に合わせた栽培方法および農機の開発が必要であると考えられる。台湾で使用されていた土入れ機のように株の真上から条間に土を落とす方法も有用である可能性もある8)。また、2条植えは全茎式プランタを前提としているが、条を設けて整然と植え付けるのではなく、幅広植えは苗を乱雑に投入するのでビレットプランタも利用できる。ただし、幅広植えを行うには、苗の活着を考えると、現行の逆三角形ではなく幅広の平らな植え溝にする必要がある(図3)。このような植え溝ができれば1条植え全茎式プランタでも排出口を工夫することによって、より少量の苗で2条植え相当の植え付けが可能となる。

図2 2条植えの条間への培土

図3 幅広植えの植え溝の作り方

(2)耐倒伏性の異なる品種の混植による耐倒伏性強化

 育種は時間を要するので、既存の耐倒伏性品種を活用する方法も群落の耐倒伏性強化に有効である。著者らは、これまでに既存品種の有効活用方法として、一圃場内における異品種の混植を検討してき た10)11)。ここでは、耐倒伏性強化のために種子島の優良生産者の圃場で見られた混植について述べる。種子島では奨励品種が少なく、特定の単一品種に依存する傾向があり、現在、NiF8、NiTn18、Ni22の3品種におおむね限定されている。生産者の高齢化によって管理が行き通らなくなっており、低温萌芽性や低株出し性のためにマルチが必要なNiF8の成績が思わしくない。そのため、現在では低温萌芽や伸長性の良いNiTn18や株出し性の良いNi22の普及が拡大している。一方、機械収穫率が82%と高く、NiTn18は倒伏に弱く伸長性も良いことから乱倒伏するため、ハーベスタで刈りにくい(すなわち収穫作業に時間を要する)▽収穫ロスが多い▽株の引き抜きが多く欠株が増える−など評価は高くない。そこで、ある優良生産者により、比較的倒伏に強いNi22を2−3畝、倒伏に弱いNiTn18を1畝と交互に植栽し、前者の支持によって後者の倒伏を軽減する栽培方法が考案されている(図4)。これによって、倒伏や引き抜きによる欠株が軽減され、結果として株出し回数が増えて収量安定化が実現されている。なお、欠株補植などのために止むを得ず異品種を混植するケースは生産現場ではよく知られているが12)、このような積極的かつ整然とした混植事例はまれである。同生産者への聞き取りによると、品種選択の際に、伸長性や低温萌芽性を考慮しなければ、競合により一方の品種が(とう)()される傾向がある。また、混植用の植え付け機はなく、トラクターに装着した苗置き式作業機を用いて2節苗を手植えしている。2品種の交互植えでも問題ないのであれば、現行の2条植え全茎式プランタでも対応できると思われる。このように、異品種混植の課題は、品種選択や植え付け作業の簡略化にありそうだ。

図4 種子島における異品種の混植事例(上:7月、下:12月の様子)

おわりに

 サトウキビは、栽培期間の長さや台風や干ばつの常襲などによって土地生産性が低いので、大規模化および機械化によって省力化を図り、労働生産性を高める必要がある。ただし、機械化がさらなる土地生産性の低下を招く悪循環は最小限に抑えなければならない。そのためには、機械サイドからのアプローチだけでなく、機械化を前提とした栽培方法の確立および品種の育成が重要である。わが国でも地域によって大型ハーベスタから小型ハーベスタと使用機が異なり、求められる栽培方法や品種特性も異なるが、これらの情報が不足している。著者らが提案したモニタリングとビッグデータ解析によるスマート育種アプローチはそれを改善する方法として有効であろう。さらに、南北大東島のように大型ハーベスタが主流の地域では、日本各地の事例に加え、中国をはじめとする海外での栽培方法や機械化適応性育種に関する情報が有益である。

 今回の中国調査を通して、海外のサトウキビ生産地を直接訪問し研究交流すること、国際言語にて研究成果や日本の現状を発信していくこと、そしてこれらを継続していくことが双方のサトウキビ産業の発展に重要であると感じた。本調査報告が、これまで近くて遠かった中国のサトウキビ産業との研究・技術交流の必要性を知る、または感じるきっかけとなれば幸いである。

謝辞
 華南農業大学の劉教授、広東省生物工程研究所の江永研究員には現地で懇切丁寧な説明をしていただいた。また、種子島の事例に関しては、現地の生産者および新光糖業株式会社の皆様の多大な協力により得た情報である。アグリサポート南大東株式会社の相澤昌成氏には機械化適応性に関し貴重なご意見を頂いた。ここに記して感謝申し上げる。
【参考文献】
1)気象庁(2018)「世界の天候データツール(ClimatView)」 http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/climatview/frame.php
2)赤地徹、上野正実、東江広明、孫麗亜、大城学(2017)「中国におけるサトウキビ作機械化の現状と課題」『砂糖類・でん粉情報』(2017年10月号)独立行政法人農畜産業振興機構
3)Lin Y.、Deng Z.、Deng H.(2010)「Overview of sugarcane breeding in mainland China」『Proceedings of International Society of Sugar Cane Technologists. 』27巻
4)宮里清松(1986)『サトウキビとその栽培』日本分蜜糖工業会
5)司偉(2015)
「中国の砂糖産業と動向および問題点」『砂糖類・でん粉情報』(2015年4月号)独立行政法人農畜産業振興機構
6)Li Y.R.、Yang L.T.(2015)「Sugarcane agriculture and sugar industry in China」『Sugar Tech』17:1-8
7)河原壽、中司憲佳、日高千絵子(2012)「中国の砂糖生産・消費の動向」『砂糖類・でん粉情報』(2012年3月号)独立行政法人農畜産業振興機構
8)泉裕己、上野正実、橋口公一、平良治男(1985)「台湾の機械化サトウキビ栽培」『沖縄甘蔗糖年報』24:1-29
9)杉本明(1994)「サトウキビ‐激変下の育種研究‐」『熱帯農業』38(2):152-156
10)Takaragawa H.、Watanabe K.、Kobashikawa R.、Hoang D.T.、Kawamitsu Y.(2017)「Plasticity of Root Architecture Under Mixed Culture and Tiller Regulation in Sugarcane」『Sugar Tech』DOI 10.1007/s12355-017-0567-x
11)Takaragawa H.、Watanabe K.、Thanankorn J.、Nakabaru M.、Kawamitsu Y.(2018)「Crop diversity in sugarcane: effect of mixed cultivars on the growth and yield of sugarcane」『International Sugar Journal』(2018年1月号)
12)寳川拓生、上野正実、川満芳信(2017)「サトウキビ品種利用の実態〜アンケート結果を中心に〜」『JSSCT日本甘蔗糖技術者会議第12回講演会講演要旨集』1-2
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