2017/18年度、砂糖生産量、輸出量ともに大幅増の見込み
生産割当廃止後の初年度となる2017/18砂糖年度(10月〜翌9月)は、生産意欲の増進を受け、てん菜の収穫面積は173万ヘクタール(前年度比18.2%増)、生産量は1億3459万トン(同25.9%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている(
表5)。これにより、砂糖生産量は2153万トン(同22.7%増)、輸出量は359万トン(同2.4倍)と、ともに大幅な増加が見込まれている。
てん菜の主要生産国であるフランスでは、今年の春先の天候不順で
播種が3週間程度遅れ、生育への影響が懸念されたものの、その後の天候回復により、7月時点では前年並みの生育状況となった。
英国政府、TPP11参加に向け意見を募集
現地報道によると、英国のリアム・フォックス国際通商相は7月18日、中小企業団体が主催した講演会で、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)への参加に関し、広く意見を募集する考えを明らかにした。同相の発言は、EU離脱後の英国の新たな通商戦略において2国間以外の自由貿易協定も模索し、成長著しい地域において英国が中心的な役割を担うことを視野に入れているとの認識を示したものとみられる。
業界団体からは、今回の国際通商相の発言や、政府が自由で公平な貿易の実現に向けた姿勢を見せていることについて一定の評価をする一方、EUとの関係の再構築が優先課題と指摘する声もある。
卸売価格、最安値を更新
欧州委員会のまとめによると、2018年4月時点の白糖1トン当たりの平均卸売価格は362ユーロ(4万6698円)となり、1月に記録した371ユーロ(4万7859円)という最安値を更新した。
欧州最大の製糖業者であるSuedzucker社の最高経営責任者は、「世界的な生産過剰により経営環境は厳しく、現在の取引価格はほとんどの製糖業者が利益を出せないほどの水準である」と述べ、第1四半期の営業利益が対前年同期比で49%減少したことを明らかにした。このため、同社はコスト削減を中心に据えた経営改革を断行するとともに、需要拡大が見込まれる中国などアジア市場への輸出拡大に意欲を示した。