2017/18年度、サトウキビの減産に伴い、砂糖生産量、輸出量ともに減少の見込み
2017/18砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、38万ヘクタール(前年度比2.4%増)とわずかな増加が見込まれている。一方、生産量は、2017年3月に上陸したサイクロンにより、少なくとも1300ヘクタール、サトウキビ生産量に換算して50万トン程度の被害を受けたことや、前年度が記録的な高収量であったことなどから、3350万トン(同8.2%減)とかなりの減少が見込まれている(
表6)。これに伴い、砂糖生産量は448万トン(同7.0%減)とかなりの減少が見込まれている。輸出量についても、主要輸出先国である中国が追加関税措置を実施していることなどが影響して、359万トン(同10.5%減)とかなりの減少が見込まれている。
6月から本格的な収穫作業が始まる
オーストラリア砂糖生産工場連絡会(Australian Sugar Milling Council)
(注1)によると、6月から始まったサトウキビの収穫作業は前年度より早いペースで進み、7月中旬までに製糖工場で圧搾されたサトウキビの量が666万3042トン(前年同期比18.1%増)に達した。これは、2018/19砂糖年度に見込まれているサトウキビ生産量(3338万1000トン)の5分の1がすでに処理されたことになる。また、同時点のCCS(可製糖率:サトウキビのショ糖含有率)も、12.7%(同0.9ポイント増)と前年度よりも高い値で推移している。クイーンズランド州北部では2018年3月上旬、数日間降り続いた豪雨の影響で大規模な洪水が発生し、サトウキビの生産地帯が冠水するなどの被害を受けたことから品質低下が懸念されたが、今のところその影響はほとんどみられない。
(注1)豪州の製糖業者が加盟する団体。
世界砂糖連盟、国際相場の低迷を受け意見交換
世界砂糖連盟(Global Sugar Alliance)
(注2)は7月、スイスのジュネーブで会合を開き、低迷する国際相場への対応について意見交換を行った。同連盟の会長を務める豪州のグレッグ・ビーセル氏は「政府の支援を受け輸出されているインドやパキスタンの砂糖
(注3)は、低迷する国際相場にとって大きな脅威となっている。現在の価格は、われわれのような効率的な生産を行う国でさえ採算が取れない水準になっている」と述べ、各国政府と緊密に連携してインドとパキスタンの両国に対しWTO規則を順守するよう求めていく方針だと語った。
(注2)豪州、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、グアテマラ、南アフリカ、タイの製糖業者が加盟する組織。砂糖の貿易自由化の推進、世界の砂糖取引環境の改善などに取り組んでいる。
(注3)インド政府は2018年3月、製糖業者に200万トンの最低輸出義務を課し、5月には生産者に補助金を交付する計画を公表した。パキスタン政府は、砂糖の国内供給量を調整するため、2018年1月から輸出補助金の対象数量を50万トンから200万トンに引き上げた。