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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2018年9月10日

砂糖類の国内需給

2018年9月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「平成29砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は2018年8月号参照)。

平成29砂糖年度(10月〜翌9月)の見通し

表1 平成29砂糖年度における砂糖の需給見通し

表2 平成29砂糖年度における異性化糖の需給見通し

2. 異性化糖の移出動向

7月の移出数量は前年同月からわずかに減少
 2018年7月の異性化糖の移出数量は、9万1031トン(前年同月比2.0%減、前月比3.5%増)であった(図1)。
 7月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満     488トン  
 (前年同月比0.1%増、前月比9.3%増)
同40%以上50%未満  2万1713トン  
 (同1.8%減、同3.4%増)
同50%以上60%未満  6万7617トン  
 (同2.0%減、同3.5%増)
同60%以上          1212トン  
 (同5.0%減、同9.7%増)

図1 異性化等の移出量の推移

図2 異性化糖の種類別移出量の推移

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年6月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、3万429トン(前年同月比46.3%減、前月比2.2倍)であった(図3)。
 輸入先国はタイおよび米国で、輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ  3万410トン  
 (前年同月比46.3%減、前月比8.2倍)
米国    19トン  
 (前年同月および前月輸入実績なし)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、5万3607トン(前年同月比44.4%減、前月比30.8%減)であった。

図3 分みつ糖の輸入量の推移

図4 分みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年6月の1トン当たりの輸入価格は、3万8030円(前年同月比21.4%安、前月比4.4%高)であった(図5)。

タイ    3万7990円  
 (前年同月比21.5%安、前月比9.6%高)
米国   10万1579円  
 (前年同月および前月輸入実績なし)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万8972円(前年同月比22.2%安、前月比2.3%安)であった。

図5 分みつ糖の輸入価格の推移

【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月からやや減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年6月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、604トン(前年同月比3.5%減、前月比24.6%減)であった(図6)。
 輸入先国は中国、タイおよびフィリピンの3カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

中国    469トン  
 (前年同月比12.5%増、前月比13.9%減)
タイ     86トン  
 (同36.8%減、同65.0%減)
フィリピン 49トン  
 (同32.9%減、同4.9倍)

図6 含みつ糖の輸入量の推移

図7 含みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年6月の1トン当たりの輸入価格は、12万6280円(前年同月比2.4%安、前月比2.0%高)であった(図8)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国     12万9141円  
 (前年同月比1.4%安、前月比0.6%高)
タイ     10万9686円  
 (同4.0%安、同1.9%高)
フィリピン  12万8020円  
 (同13.9%安、同54.0%安)

図8 含みつ糖の輸入価格の推移

【加糖調製品の輸入動向】
6月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年6月の加糖調製品の輸入量は、4万3700トン(前年同月比13.6%減、前月比16.8%減)であった(図9)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表3)。

図9 加糖調製品の品目別輸入数量の推移

表3 加糖調製品の品目別輸入数量(6月)

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖は上白糖(小袋)を除き、前月から2円程度値下がり

 7月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜190円
大阪            同187〜190円
名古屋           同191〜193円
関門            同191〜193円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり202〜203円
大阪               同204円

本グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり192〜195円
大阪            同192〜195円
名古屋           同196〜198円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜190円
大阪             同187〜190円
名古屋           同189〜191円

 7月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
 1キログラム当たり  131〜132円
果糖分55%もの
             同137〜138円

【小売価格】
7月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で18.5円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、191.9円(前年同月差2.8円安、前月差1.6円安)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表4)。

表4 上白糖の地域別平均小売価格(7月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった中部との価格差は18.5円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


7月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で71.2円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.8円(前年同月差0.3円安、前月と同水準)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表5)。

表5 グラニュー糖の地域別平均小売価格(7月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は71.2円であった。

7月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で39.1円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.3円(前年同月差0.9円安、前月差1.1円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

表6 三温糖の地域別平均小売価格(7月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は39.1円であった。

【購入金額および購入量】
6月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり下落

 総務省「家計調査」によると、2018年6月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は46で、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、146円(前年同月比7.6%安、前月比31.5%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、525グラム(同10.3%減、同15.6%増)であった(図11)。

図10 1世帯当たりの砂糖に係る支出額の推移

図11 1世帯当たりの砂糖の購入数量の推移

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