LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)の2018年9月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2017/18砂糖年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、1億9365万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、前年度比7.3%増)と前年度をかなり上回る生産が見込まれているが、2018/19年度については、1億8844万トン(同2.7%減)とわずかな減少が見込まれている(
表1)。2017/18年度については、アジアを中心に生産が増加した一方、2018/19年度は、ヨーロッパにおける高温少雨によるてん菜生産の減少や、南米において競合するエタノールへの仕向け割合が増加することなどを受け、生産の減少が見込まれるとしている。
世界の砂糖消費量は、2017/18年度は1億8046万トン(同0.3%増)、2018/19年度も1億8501万トン(同2.5%増)と、増加が続くと見込まれている。最大の消費国であるインドが同2.0%増と堅調に増加しており、アジアやアフリカなど人口増加の著しい国を中心に消費の増加が見込まれている。一方、EUやロシア、日本などの先進国では、消費が頭打ちとなっている。
この結果、2017/18年度と2018/19年度は、ともに生産量が消費量を上回るため、期末在庫量については、2年度連続で増加が見込まれている。2018/19年度末の期末在庫率は42.3%に達すると見込まれるなど、世界の砂糖需給は引き続き緩和傾向で推移するものとみられる。
なお、地域別の砂糖需給は、
図1の通りである。