2018/19年度、生産量は微減も、輸出は好調
2018/19砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は178万ヘクタール(前年度同)と横ばいが見込まれている。生産量は1億3145万トン(前年度比2.6%減)と、記録的な単収増となった前年度の生産量と比べると、わずかな減少が見込まれているものの、潤沢な降雨が得られる見通しであることから、引き続き高い水準での推移が続くと見込まれている(
表7)。
砂糖生産量は、サトウキビ生産量の減少を受け、1513万トン(同2.9%減)とわずかな減少が見込まれているが、国内消費を上回る生産が続いていることから、輸出量は、1364万トン(同32.6%増)と2年度連続の大幅な増加が見込まれている。この結果、2017/18年度に大幅に増加した期末在庫については、2018/19年度は大幅に減少し、例年並みの水準に戻ると見込まれている。
輸出用粗糖の入札、低調な結果に
8月22日、輸出用粗糖の3回目の入札が行われたが、入札量12万トンに対し、落札量は1万2000トン、価格についても、低迷する国際相場を反映し、「+50セント」という価格にとどまるなど、低調な結果となったと現地報道は伝えている。
7月4日に行われた1回目の入札では2万4000トンが落札となったものの、18日の2回目入札は価格が折り合わず不調となっていた。
タイでは、80万トンの粗糖輸出枠が設定されており、半分の40万トンは製糖工場に振り分けられ、残りの40万トンは、タイ・サトウキビ砂糖公社が入札により、輸出業者を決定している。落札金額のうち、国際価格(ニューヨーク相場No.11)に上乗せされた額が「タイプレミアム」と呼ばれており、輸出向け砂糖価格の指標としての性格が強いとされている。
生産者協会、国内外の価格差拡大に対する支援を政府に要請
サトウキビ生産者協会は、産業省に対し、低迷する国際価格との差額を穴埋めするようなさらなる施策の実施を求める要望書を提出した。
これまでも、国際価格と国内価格の差額を穴埋めする基金制度はあったが、国際価格が低迷した2017/18年度はその差額が大きく、150億タイ・バーツ(521億円)近くを投じた結果、基金が赤字となったとされる。国際価格の低迷が続く2018/19年度は、その差額がさらに大きくなると見込まれており、440億タイ・バーツ(1527億円)近い予算が必要となるとされるため、こうした追加資金の注入を政府に求めている。
しかし、追加資金の注入を実施すれば、貿易相手国からの反発が必至であることから、今後の対応が注目される。