現在の風害軽減対策は、北海道の指導参考事項となっている被覆作物(麦類)の利用▽てん菜作付け後の畝間への深耕爪カルチベータ
(注)施工により畝間に5.0センチメートル程度の盛土を形成する方法▽砕土率の低減と整地作業時の鎮圧強化−などがある
1)。しかし、砕土率の低減と整地作業時の鎮圧強化は普及しつつあるが、被覆作物の利用や盛土形成は手間が掛かることや施工方法が難しいことなどから十分な普及となっていないと推測される。
一方、
更別村の農業者が小板(以下「盛土板」という)を取り付けたカルチ爪(以下「盛土改良カルチ」という)を自作し、
播種後の畝間へ施工することにより畝間に盛土を形成し風害対策を実施していた(
写真1、
2、
3)。現在この対策は一部の生産者において播種後に施工する風害対策として更別村などを中心に普及し始めている。また根本ら(2017年)
2)の観測結果は、圃場(畝間)に形成される凹凸により地表面の摩擦が増えることが風害を軽減していることを示唆している(
図2)。