2018/19年度、砂糖生産量はかなり減少し、輸出量は大幅に減少する見込み
2018/19砂糖年度(10月〜翌9月)てん菜の収穫面積は172万ヘクタール(前年度比0.8%減)とほぼ横ばいで推移すると見込まれているが、生産量は1億1666万トン(同14.0%減)とかなりの減少が見込まれている(
表5)。これにより、砂糖生産量は1844万トン(同14.7%減)とかなり減少する見込み。域内における異性化糖の供給不足を砂糖で相殺する動きが予測されるほか、砂糖の期首在庫量が減少していることを考慮して、輸出量は163万トン(同57.5%減)と、大幅な減少が見込まれている。
日本とのEPA案、委員会審議で可決
欧州議会は11月5日、貿易委員会で審議していた日本との経済連携協定(EPA)案が賛成多数で可決され、同案は欧州議会本会議に送付されたと公表した。EPA案は今後、12月に開かれる欧州議会本会議で採決される見通しである。日・EUEPAは、日本とEU双方の手続きが完了した翌々月の1日に発効すると定められており、早ければ2019年2月1日が発効日となる見込みとなった。
今回公表された資料の中で貿易委員会は、「世界は今、保護主義的な政策を強める国々と
対峙しなければならない状況にある中、今回のわれわれの決定は、自由・公正で開かれた質の高い貿易を支持するシグナルとなった」と決議の意義を強調した。
メルコスールとのFTA交渉、年内合意を先送りか
現地報道によると、欧州委員会のフィル・ホーガン委員(農業・農村開発担当)は「メルコスール
(注)とのFTA交渉は、年内に合意することはない」と述べ、来年1月に就任するブラジルの次期大統領の外交姿勢が明らかになるまで交渉を行わない可能性を示唆した。 EUとメルコスールとの間での自由貿易協定(FTA)交渉をめぐっては、20年にも及ぶ交渉の末、今年に入りようやく双方が歩み寄りを見せ、2018年内合意に向けた機運が高まっていた。しかし、10月に極右候補のジャイル・ボルソナロ氏がブラジルの次期大統領に決まったことで、双方ともに同氏抜きで合意することに慎重な意見が見られた。今回のフィル氏の発言は、こうした意見を踏まえた対応とみられる。 他方、フィル氏は依然として牛肉、砂糖、エタノールなどの主要農産物の市場開放に対して否定的な考えをにじませており、年明けにも始まる交渉で合意できるかは予断を許さない状況にある。
(注)ブラジルなど南米4カ国で構成される南米南部共同市場。