LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)の2018年12月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2018/19砂糖年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、前回予測から1.8%下方修正し、1億8503万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、前年度比4.9%減)とやや減少すると見込まれている(
表1)。北アメリカやアフリカは前年度を上回る一方、ヨーロッパは天候不順によりてん菜の生産量が減少する見込みであることに加え、最大の生産国であるブラジルがサトウキビのエタノール生産への仕向け割合を増やしていることを受け、全体として生産が減少すると見込まれている。
同年度の世界の砂糖消費量は、前回予測とほぼ同じ1億8489万トン(同1.4%増)とわずかな増加が見込まれている。世界の砂糖需要をけん引するインド、中国が昨今の景気動向を反映し、引き続き消費量が堅調に増加すると見込まれるほか、人口増を背景にアフリカの消費量も増加が見込まれている。
この結果、2018/19年度は、生産量が消費量を上回るものの、生産量が減少する影響で期末在庫量が減少すると見込まれている。しかし、期末在庫率は40%台を維持すると見込まれることから、世界の砂糖需給は引き続き緩和傾向で推移するものとみられる。なお、地域別の砂糖需給は、
図1の通りである。