砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖・異性化糖の国内需給 > 砂糖類の国内需給

砂糖類の国内需給

印刷ページ

最終更新日:2019年1月10日

砂糖類の国内需給

2019年1月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。9月に「平成30砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した(詳細は2018年11月号参照)。

 

 

 

2. 異性化糖の移出動向

11月の移出数量は前年同月からやや増加
 2018年11月の異性化糖の移出数量は、6万4374トン(前年同月比5.8%増、前月比1.6%減)であった(図1)。 
 11月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満     459トン
 (前年同月比4.7%増、前月比0.3%増)
同40%以上50%未満  1万7424トン
 (同1.4%減、前月同水準)
同50%以上60%未満  4万5790トン
 (同8.7%増、前月比2.1%減)
同60%以上           702トン
 (同12.2%増、同7.3%減)
 

 

 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年10月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、2万6457トン(前年同月比12.9%増、前月比89.2%増)であった(図3)。
 輸入先国はタイおよび米国で、輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ   2万6438トン
 (前年同月比2.3倍、前月比89.3%増)
米国      19トン
 (前年同月輸入実績なし、前月同)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、13万4088トン(前年同月比2.4倍、前月比74.6%増)であった。

 

 

 2018年10月の1トン当たりの輸入価格は、3万6002円(前年同月比17.4%安、前月比8.0%高)であった(図5)。

タイ   3万5956円
 (前年同月比17.1%安、前月比8.2%高)
米国  9万9474円
 (前年同月輸入実績なし、同3.6%安)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万5602円(前年同月比13.2%安、前月比4.5%安)であった。

 

【含みつ糖の輸入動向】
10月の輸入量は前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、201810月の含みつ糖(HSコード 1701.13-0001701.14-190)の輸入量は、498トン(前年同月48.2%減、前月比2.1倍)であった(図6)。

 輸入先国は中国、ボリビア、フィリピンおよびタイの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった図7)。

中国      295トン
 (前年同月比59.1%減、前月比50.5%増)
ボリビア    121トン
 (同59.2%増、前月輸入実績なし)
フィリピン    61トン
 (同27.4%減、前月比2.9倍)
タイ       21トン
 (前年同月および前月同)

 

 

 2018年10月の1トン当たりの輸入価格は、13万1349円(前年同月比1.2%安、前月比6.9%高)であった(図8)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国        13万2776円
 (前年同月比1.0%高、前月比1.1%高)
ボリビア     13万5140円
 (同1.0%安、前月輸入実績なし)
フィリピン     12万8869円
 (同16.4%高、前月比17.6%高)
タイ         9万6667円
 (同0.9%高、同71.7%高)

 

【加糖調製品の輸入動向】
10月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、201810月の加糖調製品の輸入量は、5万3413トン(前年同月比12.6%増、前月比23.6%増)であった(図9)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表3)。

 

 

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 11月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪            同187〜188円
名古屋               同191円
関門                 同191円

上白糖(小袋)
東京  1キログラム当たり199〜202円
大阪                同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり192〜193円
大阪              同192〜193円
名古屋               同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪             同187〜188円
名古屋               同189円

 11月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。 

果糖分42%もの
 1キログラム当たり131〜132円

果糖分55%もの
           同137〜138円
 
【小売価格】
11月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で21.2円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、193.3円(前年同月差0.1円安、前月差0.4円高)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表4)。
 

 

 最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は21.2円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


11月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.1円
 
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.1円(前年同月差0.8円安、前月差0.6円安)であった。 
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表5)。

 

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は72.1円であった。

11月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で52.7円
  
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.5円(前年同月差0.8円安、前月差1.1円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。
 

 

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は52.7円であった。

【購入金額および購入量】
10月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり下落

 総務省「家計調査」によると、2018年10月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は36、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、84円(前年同月比7.7%安、前月比12.0%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、373グラム(同4.8%減、同7.2%増)であった(図11)。

 

 

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272