2018/19年度、砂糖生産量、輸出量ともに大幅に減少する見込み
LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)の2019年2月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2018/19砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、872万ヘクタール(前年度比1.2%増)とわずかな増加が見込まれている。一方、サトウキビ生産量は、北東部地域の全域と中南部地域の一部で高温少雨が続き、生育の遅れが見られることから、6億1250万トン(同4.5%減)とやや減少が見込まれている(
表2)。砂糖生産量は、国際価格の低迷に加え、砂糖価格よりエタノール価格が高く推移し、サトウキビをバイオエタノール生産に仕向ける動きが加速すると予測されるため、3135万トン(同24.4%減)と大幅な減少が見込まれている。輸出量は、主要輸出相手国である中国が追加関税措置を実施していることなども影響して、2014万トン(同35.0%減)と大幅な減少が見込まれている。
少雨が影響し、2019/20年度のサトウキビ生産量は伸び悩む見込み
ブラジルの大手製糖業者の一つであるSão Martinho社によると、2018年12月から2019年1月にかけて、国内の主なサトウキビ生産地である中南部地域の降雨量が平年を下回って推移したことから、2019/20年度におけるサトウキビ生産量は伸び悩むと予測されている。
同社は、気温が高く乾燥した気候となったことでサトウキビの初期生育が抑制されたことを理由に、4月ごろから始まる2019/20年度のサトウキビ収穫量を前回予測から5ポイント下方修正した。 同社は、ブラジルだけでなくインドの砂糖生産量も減少することで、今後数カ月のうちに砂糖の国際価格は回復すると予想しており、国際価格が回復すれば、来年度はサトウキビを砂糖に仕向ける割合が増え、エタノール生産量は今年度ほど増加しない可能性があるとしている。
同社によると、2018/19年度の4月〜12月における純利益は、サトウキビ圧搾量の減少や砂糖の国際価格の低下が影響し、前年同期比32%減の2億2800万レアル(72億9600万円)となった。