2018/19年度、砂糖生産量はかなり増加、輸出量はやや増加の見通し
2018/19砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、42万ヘクタール(前年度比1.2%増)とわずかに増加が見込まれ、生産量は2400万トン(同0.6%増)とほぼ横ばいで推移すると見込まれている(
表8)。
1月の降雨量が平均より少なく推移したことでサトウキビ収穫のペースが早まったことも影響し、砂糖生産量は、223万トン(同6.8%増)とかなり増加する見込みである。輸出量については、21万トン(同3.9%増)とやや増加すると見込まれている。輸入量は、昨年フィリピン政府が砂糖の輸入規制を一時的に緩和したことで、国内の砂糖在庫が増加したことを受け、前回見込みから18.5%減少し、42万トン(同37.7%増)と見込まれている。
フィリピン政府、砂糖の輸入自由化を検討
国家経済開発庁は1月31日、消費者物価指数が政府の目標を上回って上昇を続け、特に食料品の価格が高騰していることを受け、農産物に対する輸入規制の緩和を検討すると発表した。砂糖については、関税の引き下げと合わせ、砂糖統制委員会(SRA:The Sugar Regulatory Administration)が実施してきた輸入許可制度を改め、輸入自由化に踏み切る可能性を示唆した。
現在、輸入される砂糖には、年間約6万4000トン(粗糖換算)までが50%、それを超えたものは65%の関税率が適用されているが、ベンジャミン・ディオクノ予算管理相は、「砂糖の関税率を30〜40%程度まで引き下げたい」と述べた。また、同相は「この水準まで関税率を引き下げても、国内のサトウキビ農家を十分保護できるだろう」との見解を示した。
国内の菓子業界は、砂糖の輸入自由化について賛成の意向を示している。フィリピン菓子・ビスケット・スナック協会(PCBSA:The Philippine Confectionery Biscuit and Snack Association)は、製品の原料である砂糖をより安く輸入したいという狙いから、関税率を25%に設定するよう政府に要求していると述べた。一方、国内の製糖業者は、今回の政府の意向に反対する姿勢を示している。