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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2019年3月11日

砂糖類の国内需給

2019年3月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「平成30砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した(詳細は2019年2月号参照)。

平成30砂糖年度(10月〜翌9月)の見通し

表1 平成30砂糖年度における砂糖の需給見通し

表2 平成30砂糖年度における加糖調製品の需給見通し

表3 平成30砂糖年度における異性化糖の需給見通し

2. 異性化糖の移出動向

1月の移出数量は前年同月からやや増加
 2019年1月の異性化糖の移出数量は、5万9413トン(前年同月比3.0%増、前月比7.2%減)であった(図1)。
 1月の規格別の移出量は、次の通りであった (図2)。

果糖含有率40%未満     360トン  
 (前年同月比5.5%増、前月比14.8%減)
同40%以上50%未満  1万5510トン  
 (同2.3%減、同10.6%減)
同50%以上60%未満  4万2765トン  
 (同5.0%増、同6.6%減)
同60%以上           778トン  
 (同5.1%増、同68.9%増)

図1 異性化糖の移出量の推移

図2 異性化糖の種類別移出量の推移

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
12月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年12月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、2万8301トン(前年同月比27.7%減、前月比65.8%増)であった(図3)。
 輸入先国はタイのみで、輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ  2万8301トン  
 (前年同月輸入実績なし、前月比65.8%増)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、12万6475トン(前年同月比39.1%増、前月比2.1倍)であった。

図3 分みつ糖の輸入量の推移

図4 分みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年1〜12月の分みつ糖の輸入量は34万4992トン(前年比16.9%減)で、豪州からの高糖度原料糖80万8152トン(同0.8%増)と合わせた輸入量は115万3144トン(同5.2%減)であった(図5)。

 輸入先国は豪州、タイ、フィリピン、南アフリカおよび米国などの5カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。

豪州  83万2125トン(注)  
 (前年比1.9%減)
タイ  31万2557トン  
 (同3.6%増)
フィリピン  7345トン  
 (同82.0%減)
南アフリカ  988トン  
 (同96.2%減)
米国     129トン  
 (同16.2%増)

(注)高糖度原料糖の輸入量を含む。

図5 分みつ糖の年別国別輸入量の推移

 2018年12月の1トン当たりの輸入価格は、3万8237円(前年同月比17.8%安、前月比5.8%高)であった(図6)。

タイ  3万8237円  
 (前年輸入実績なし、前月比5.8%高)  

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万7367円(前年同月比17.3%安、前月比0.4%高)であった。

図6 分みつ糖の輸入価格の推移

【含みつ糖の輸入動向】
12月の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年12月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、386トン(前年同月15.2%増、前月比51.1%減)であった(図7)。

 輸入先国はボリビア、中国、ブラジル、フィリピンなど6カ国で、国別の輸入量は次の通りであった (図8)。

ボリビア    173トン  
 (前年同月比12.2%減、前月比12.3%増)
中国       59トン  
 (同20.3%減、同88.8%減)
ブラジル    57トン  
 (同3.0倍、同50.0%増)
フィリピン    56トン  
 (同24.4%増、同5.6倍)
タイ        21トン  
 (前年同月輸入実績なし、同50.0%減)
モーリシャス  20トン  
 (前年同月および前月輸入実績なし)

図7 含みつ糖の輸入量の推移

図8 含みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年1〜12月の含みつ糖の輸入量は、9512トン(前年比6.0%減)であった(図9)。
 輸入先国は中国、タイ、ボリビア、フィリピンおよびブラジルなど8カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図9)。

中国       4139トン  
 (前年比1.8%増)
タイ        4055トン  
 (同9.6%減)
ボリビア     777トン  
 (同7.9%増)
フィリピン    385トン  
 (同44.2%減)
ブラジル     95トン  
 (前年同)
コスタリカ    40トン  
 (前年比2.0倍)
モーリシャス  20トン  
 (同50.0%減)
台湾       1トン  
 (前年輸入実績なし)

図9 含みつ糖の年別国別輸入量の推移

 2018年12月の1トン当たりの輸入価格は、14万5870円(前年同月比5.4%安、前月比8.0%高)であった(図10)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

ボリビア     13万8185円  
 (前年同月比0.3%高、前月比2.4%高)
中国       12万7119円  
 (同16.9%安、同0.8%安)
ブラジル     23万754円  
 (同2.7%安、同0.7%安)
フィリピン    13万5464円  
 (同29.7%安、同47.7%安)
タイ        9万7429円  
 (前年同月輸入実績なし、同21.2%高)
モーリシャス  10万5750円  
 (前年同月および前月輸入実績なし)

図10 含みつ糖の輸入価格の推移

【加糖調製品の輸入動向】
12月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年12月の加糖調製品の輸入量は、5万8023トン(前年同月比9.4%増、前月比6.0%増)であった(図11)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表4)。

図11 加糖調製品の品目別輸入数量の推移

表4 加糖調製品の品目別輸入数量(12月)

 2018年1〜12月の加糖調製品の輸入量は、58万5799トン(前年比1.7%増)となった(図12)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表5)。

図12 加糖調製品の年別品目別輸入数量の推移

表5 加糖調製品の2018年品目別輸入量

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 1月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪            同187〜188円
名古屋              同191円
関門               同191円

上白糖(小袋)
東京  1キログラム当たり199〜202円
大阪                同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり192〜193円
大阪            同192〜193円
名古屋              同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪            同187〜188円
名古屋               同189円

 1月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
 1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
            同137〜138円

【小売価格】
1月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で18.5円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、191.4円(前年同月差2.6円安、前月差0.5円高)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

表6 上白糖の地域別平均小売価格

 最も高かったのは東北で、最も安かった中部との価格差は18.5円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
1月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で73.1円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、241.4円(前年同月差1.8円安、前月差0.5円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表7)。

表7 グラニュー糖の地域別平均小売価格(1月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は73.1円であった。

1月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で51.3円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、236.2円(前年同月差0.3円安、前月差2.2円高)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表8)。

表8 三温糖の地域別平均小売価格(1月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は51.3円であった。

【購入金額および購入量】
12月の砂糖の支出金額は前年同月からやや下落

 総務省「家計調査」によると、2018年12月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は54、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、131円(前年同月比5.1%安、前月比40.9%高)であった(図13)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、577グラム(同9.8%減、同44.6%増)であった(図14)。

図13 1世帯当たりの砂糖に係る支出額の推移

図14 1世帯当たりの砂糖の購入数量の推移

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272