砂糖類の国内需給
最終更新日:2019年7月10日
砂糖類の国内需給
2019年7月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「2018砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した(
詳細は2019年5月号参照)。
2. 異性化糖の移出動向
5月の移出量は前年同月からかなりの程度減少
2019年5月の異性化糖の移出量は、8万2333トン(前年同月比6.2%減、前月比1.1%減)であった(図1)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。
果糖含有率40%未満 389トン
(前年同月比0.1%増、前月比13.9%減)
同40%以上50%未満 1万9849トン
(同6.3%減、同7.0%減)
同50%以上60%未満 6万705トン
(同5.9%減、同0.7%増)
同60%以上 1389トン
(同18.1%減、同15.1%増)
3. 輸入動向
【分みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2019年4月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、1万1676トン(前年同月比78.6%減、前月比37.6%増)であった(図3)。
輸入先国はタイのみで、輸入量は次の通りであった(図4)。
タイ 1万1676トン
(前年同月比71.2%減、前月比37.9%増)
また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、11万6697トン(前年同月比2.2倍、前月比39.9%増)であった。
2019年4月の1トン当たりの輸入価格は、3万6845円(前年同月比3.7%安、前月比5.3%安)であった(図5)。
タイ 3万6845円
(前年同月比5.1%安、前月比5.0%安)
また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万9299円(前年同月比1.9%安、前月比2.4%高)であった。
【含みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2019年4月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、1391トン(前年同月11.4%減、前月比20.1%減)であった(図6)。
輸入先国はタイ、中国、フィリピンおよびモーリシャスで、国別の輸入量は次の通りであった(図7)。
タイ 847トン
(前年同月比3.9%増、前月比31.8%減)
中国 428トン
(同38.8%減、同48.1%増)
フィリピン 97トン
(同73.2%増、同2.5倍)
モーリシャス 19トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
2019年4月の1トン当たりの輸入価格は、11万5888円(前年同月比1.4%安、前月比2.5%安)であった(図8)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 11万2404円
(前年同月比1.6%高、前月比0.5%安)
中国 12万1005円
(同2.9%安、同3.1%安)
フィリピン 12万1753円
(同5.2%安、同38.1%安)
モーリシャス 10万9000円
(前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
4月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや減少
財務省「貿易統計」によると、2019年4月の加糖調製品の輸入量は、4万5707トン(前年同月比4.8%減、前月比6.2%増)であった(図9)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
5月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪 同192〜193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同189円
5月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの
1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
同137〜138円
【小売価格】 5月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で20.8円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、190.5円(前年同月差4.1円安、前月と同水準)であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表5)。
最も高かったのは東北で、最も安かった中部との価格差は20.8円であった。
(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
5月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で70.0円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.0円(前年同月差0.9円安、前月差0.8円高)であった。
同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。
最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は70.0円であった。
5月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で53.4円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、236.6円(前年同月差0.8円高、前月差1.2円高)であった。
同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表7)。
最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は53.4円であった。
【購入金額および購入量】
4月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに下落
総務省「家計調査」によると、2019年4月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は34、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、80円(前年同月比1.2%安、前月比11.1%安)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、298グラム(同8.9%減、同24.9%減)であった(図11)。
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