2018/19年度、輸入量は大幅に減少する見込み
2018/19砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は122万ヘクタール(前年度比1.0%減)とわずかな減少が見込まれる一方、生産量は7859万トン(同2.4%増)とわずかな増加が見込まれている(表4)。てん菜については、政府がトウモロコシ支援政策を変更
(注)したことでトウモロコシ価格が低下したことを受け、内モンゴル自治区などの生産者がてん菜への転作を進めていることなどから、収穫面積は24万ヘクタール(同30.5%増)、生産量は1167万トン(同21.7%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。
砂糖生産量は、原料作物の増産が期待できるものの、天候不順などの影響で平均糖度が平年を下回るとみられることから、1164万トン(同4.4%増)とやや増加にとどまると見込まれている。輸入量は、米中貿易摩擦による中国経済の減速懸念などに伴い輸入量の落ち込みと内需の弱さが目立ち始めている現状を踏まえ、454万トン(同25.7%減)と大幅に減少すると見込まれている。
(注)政府は2016年4月、トウモロコシ備蓄政策について、最低保証価格を廃止し、市場買い付けとする変更を行った。
中国政府、砂糖の1日の摂取目標を「25グラム以下」と定める(注1)
中国国務院(内閣に相当する行政機関)は7月15日、疾病予防・健康増進の推進に資する施策の指針となる『健康中国行動(2019〜2030年)』を公表し、健康寿命
(注2)を延ばすために必要な取り組みと、達成すべき目標を示した。
この中の食生活の改善に関する項目では、減塩、低脂肪、低糖質な食事を実践して、口腔の健康、適正な体重、健康的な体型を維持する「三減三健」という概念が提唱されている。これを実現させるため、現在国民1人当たり1日平均30グラム摂取している砂糖については同25グラム以下とする目標を定めた。また、6〜17歳の子どもの肥満率が10年前と比べ3倍に増加している状況などに鑑み、子どもの砂糖の適正摂取に向けたガイドラインの策定▽砂糖から低カロリー甘味料への切り替えを行う食品メーカーへの支援▽砂糖含有量を1日の摂取目標量に占める割合で表示するなどの食品表示ルールの見直し−などを行うことが明記された。
(注1)詳細は、当機構のホームページの海外情報「中国、砂糖の1日の摂取目標『25グラム以下』と定める−『健康中国行動』−」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002488.html)をご参照ください。
(注2)中国国務院によると、2016年時点での中国の平均寿命は76.7歳、健康寿命は68.7歳である。なお、健康寿命とは世界保健機関(WHO)が提唱した概念で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
RCEP閣僚会合、年内妥結を目指すことで一致
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合が8月3日、北京で開かれた。会合後に発表された共同声明では、物品の市場アクセス交渉に関して「対象品目の3分の2以上について参加国のすべてが満足できるレベルにある」とし、残りの品目については年内妥結に向け、建設的な議論を積み重ね、現実的な着地点を模索する姿勢を示した。
交渉の行方は、砂糖を含めた安価な農産物の流入に懸念を示すインドがどこまで歩み寄れるかが鍵になるとみられるが、5月に行われた総選挙でモディ首相が率いる与党が単独過半数の議席を獲得し、安定した政権運営の基盤が整ったことから、関係者の間では早期妥結の期待感が高まっている。