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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2019年9月10日

2. 国際価格の動向

2019年9月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(7/1〜8/15)
〜11カ月ぶりの安値水準まで下落〜
図2 ニューヨーク粗糖先物相場の働き
 ニューヨーク粗糖先物相場の2019年7月の推移を見ると(10月限(がつぎり))、1日は1ポンド当たり12.57セント(注1)の値を付けた。その後は、収穫が最盛期を迎えるブラジルの生産状況や原油相場の動向(注2)を見極めようと全般的に様子見ムードが広がり、取引が低調に推移した結果、相場は方向感が定まらない展開となった。その後、11日は同12.38セント、12日は同12.30セントと続落した。週明けの15日以降は、砂糖の主要生産国であるインドが新年度となる2019年10月以降も、砂糖の輸出拡大を目的とする政策支援を継続する意向を示唆したことが引き金となり、相場の下落が止まらず、18日には2019年5月以来の安値となる同11.55セントとなった。23日は、ブラジルの製糖業者がエタノール生産を優先し、砂糖を大幅に減産するとの観測から反発し、前日比0.42セント高の同11.98セントとなった。その後は、相場の動向を見極めたいとの思惑から再び取引が低調となり、同12セント台前半で推移した。

 8月に入ると、2日までは前月の流れを引きずって推移したが、週明けの5日から週半ばにかけては、供給過剰への懸念が再び強まり下落し、7日には同11.34セントと同11.50セントを割り込み、11カ月ぶりの安値を付けた。その後は、売られすぎの反動から上昇に転じ、9日は同11.86セントを付けた。しかし、週明けの12日は反落し、同11.56セントの値を付け、その後は全体的に買い支える材料に乏しく、同11セント台半ばでのもみ合いとなり、15日は同11.63セントとなった。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、代替燃料であるバイオエタノールの需要が低下する。バイオエタノールへの需要が低下すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが減るため、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の供給が増える方向に作用する。その結果、需給緩和の懸念が強まり、商品相場は下落する傾向にある。
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