2. 主要国の砂糖需給(2019年12月時点予測)
最終更新日:2020年1月10日
2. 主要国の砂糖需給(2019年12月時点予測)
2020年1月
【生産量】
2019/20年度の砂糖生産量を国別に見ると、ブラジルは、砂糖の国際価格の低迷を受けてサトウキビのエタノール生産への仕向け割合が前年度に引き続き6割を超えるものの、砂糖生産への仕向け割合をこれ以上減らすことが困難とみられることから、3161万トン(前年度比1.2%増)とわずかに増加し、結果として首位に返り咲く見通しである(図2)。
インドは、干ばつや豪雨などの気象災害が各地で発生した影響で、2933万トン(同18.1%減)と大幅に減少し、第2位に後退する見通しである。
EU(英国を含む。以下同じ)は、てん菜生産量第1位のフランスでの減産が響き、1794万トン(同1.9%減)とわずかに減少すると見込まれている。
【輸入量】
2019/20年度の砂糖輸入量を国別に見ると、中国は、砂糖生産量の不足分を輸入で補っていることから、減産に伴い497万トン(前年度比2.9%増)とわずかに増加すると見込まれている。
他方、インドネシアは、砂糖の在庫量がここ10年間で最多となり、輸入糖の需要が低下すると見込まれるため、446万トン(同17.2%減)と大幅に減少すると見込まれている。
【消費量】
2019/20年度の砂糖消費量を国別に見ると、インドやインドネシアは、昨今の景気動向や個人消費が堅調に推移していることを踏まえ、それぞれ2809万トン(前年度比2.0%増)、734万トン(同2.3%増)とわずかに増加すると見込まれている。
他方、長らく世界の砂糖需要をけん引してきた中国は近年、砂糖消費が頭打ち傾向となっており、1631万トン(同1.3%減)、EUは健康志向の高まりなどを背景に消費量が伸び悩み、1952万トン(同0.7%減)と、ともにわずかに減少すると見込まれている。
【輸出量】
2019/20年度の砂糖輸出量を国別に見ると、ブラジルは2033万トン(前年度比3.1%減)とやや減少すると見込まれる。第2位のタイは、砂糖生産量の大幅な落ち込みに伴い、834万トン(同20.1%減)と大幅に減少すると見込まれている。
インドは、砂糖の過剰在庫の解消に向け、政府が補助金政策などを通じて輸出促進に努めていることで、625万トン(同13.6%増)とかなり大きな増加が見込まれている。
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