砂糖類の国内需給
最終更新日:2020年4月10日
砂糖類の国内需給
2020年4月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「令和元砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した(詳細は
2020年2月号参照)。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
1月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2020年1月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、3万5481トン(前年同月比82.6%増、前月比78.3%減)であった(図1)。
輸入先国は豪州およびタイで、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
豪州 3万4981トン
(前年同月輸入実績なし、前月比73.4%減)
タイ 500トン
(前年同月比97.4%減、同98.4%減)
2020年1月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、3万3650円(前年同月比12.0%安、前月比8.3%安)であった(図3)。
タイ 3万3650円
(前年同月比12.0%安、前月比8.3%安)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万7285円(前年同月輸入実績なし、前月比1.5%高)であった。
【含みつ糖の輸入動向】
1月の輸入量は前年同月からかなり大きく増加
財務省「貿易統計」によると、2020年1月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、716トン(前年同月比15.9%増、前月比62.7%増)であった(図4)。
輸入先国はタイ、中国、フィリピンおよび台湾の4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。
タイ 354トン
(前年同月比29.7%増、前月比16.9倍)
中国 324トン
(同2.1倍、同11.0%増)
フィリピン 34トン
(同61.4%減、同30.6%減)
台湾 4トン
(前年同月輸入実績なし、同2.0倍)
2020年1月の1トン当たりの輸入価格は、11万9529円(前年同月比4.2%安、前月比0.7%高)であった(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 11万3169円
(前年同月比2.1%安、前月比22.8%高)
中国 12万954円
(同5.4%安、同5.5%高)
フィリピン 14万1941円
(同0.6%安、同12.3%高)
台湾 37万6500円
(前年同月輸入実績なし、同45.9%高)
【加糖調製品の輸入動向】
1月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
財務省「貿易統計」によると、2020年1月の加糖調製品の輸入量は、3万9284トン(前年同月比10.2%増、前月比14.3%減)であった(図7)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3. 異性化糖の移出動向
2月の移出量は前年同月からわずかに増加
2020年2月の異性化糖の移出量は、6万3169トン(前年同月比2.7%増、前月比8.6%増)であった(図8)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。
果糖含有率40%未満 363トン
(前年同月比13.4%減、前月比17.7%増)
同40%以上50%未満 1万7176トン
(同2.0%増、同8.0%増)
同50%以上60%未満 4万5059トン
(同3.3%増、同8.9%増)
同60%以上 572トン
(同6.6%減、同1.5%減)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
2月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪 同192~193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同189円
2月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの
1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
同137〜138円
【小売価格】
2月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で21.9円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける2月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、193.6円(前年同月差1.6円高、前月差1.9円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は21.9円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は次の通りである(以下、同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良
2月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.5円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける2月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.1円(前年同月差0.3円高、前月差0.6円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は72.5円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
2月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で38.1円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける2月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、233.0円(前年同月差3.9円安、前月差0.2円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は38.1円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
1月の砂糖の支出金額は前年同月と比べかなりの程度下落
総務省「家計調査」によると、2020年1月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は27、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は66円(前年同月比7.0%安、前月比46.8%安)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、266グラム(同6.0%減、同50.9%減)であった(図11)。
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