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氷砂糖で作るフルーツビネガー

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最終更新日:2020年5月11日

氷砂糖で作るフルーツビネガー

2020年5月

全日本氷糖工業組合

はじめに

 しょ糖の大きな結晶である氷砂糖は、昔は携帯しやすく保存性が良い栄養食品として、珍重されていたほか、備災食やキャンディーとしても扱われていました。今日の氷砂糖の主な用途は梅の収穫時期に家庭で漬ける梅酒、梅シロップでの使用です。

 氷砂糖はグラニュー糖を原料としてさらに結晶化しているので純度が高く、無色透明でスッキリした甘味で切れも良いため、果物の香りや風味を損ねないという利点を生かし、梅酒やリキュールなどの果実酒や、果実シロップ作りに適しています。

 浸透圧を利用して少しずつゆっくり溶けてゆくことで、徐々にホワイトリカーなどの液体中の砂糖濃度を上げてくれます。徐々に濃度が上がることでじっくりと果実の中のおいしさ(エキス)を引き出してくれるのです。

 氷砂糖はその製法により、砂糖本来の結晶の形をしたクリスタルタイプと、ごつごつした形のロックタイプとに分かれます(写真)。小さな粒子の氷砂糖を種結晶として回転式ドラムに入れ、これをグラニュー糖を溶かした糖液に浸してドラムを回転させながら、結晶を大きく育てる製法のクリスタルタイプは、自然結晶方式のロックタイプの氷砂糖に比べて、大量生産ができるという利点があります。一方、ロック氷砂糖は昔ながらの製造法で約2週間程度かけてゆっくりと結晶を育てます。ロックタイプは水に溶けやすい性質のため、漬け込む期間の短い果実シロップなどに向いています。

 本稿では、この氷砂糖を使って作るドリンクの中でも、近年お酢の健康効果などから注目を集めるフルーツビネガーの簡単に出来るレシピなどをご紹介します。
 

1.氷砂糖の現状

 2019年の氷砂糖の販売量は約1万5600トン(全日本氷糖工業組合実績)で、約70%が梅の収穫時期(5月末〜6月)の販売になります。図1は過去20年間の氷砂糖の販売実績です。

 氷砂糖の出荷は梅の作柄に大きく影響されます。過去20年の平均出荷量は1万5783トンで、砂糖の消費量に比べ減少幅は少ないですが、氷砂糖の主な用途となる、梅酒や梅シロップなどの梅を漬ける方の高年齢化が進んでいます。このため、全日本氷糖工業組合では、梅を漬ける以外の氷砂糖の活用方法の提案にも力を入れています。そのうちの一つが、旬の果実を漬け込むフルーツビネガーです。
 

2.フルーツビネガーの作り方

 煮沸消毒をした瓶をご用意いただき、氷砂糖と旬の果実とお酢を1:1:1で1週間漬け込めばフルーツビネガーは完成です。氷砂糖が果実の栄養素、果汁を浸透圧の力で引き出し、お酢との相乗効果でご家庭でも簡単に作れる手作りの健康ドリンクになります。

 2017年には『レモン酢』、2019年には『イチゴ酢』がテレビ番組で紹介され、フルーツビネガーは消費者からも支持されています。果汁が溶け出すことにより色合いも美しく、注目されているソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にも映えるので、全日本氷糖工業組合のホームページ『てづくりライフいろどりライフ』(注)では、SNSと連動して普及活動を行っております。同ホームページでは、フルーツビネガーのレシピおよびレシピ動画を公開しておりますので、ぜひご家庭で作る際に参考にしてみてください。

(注)『てづくりライフいろどりライフ』
  http://www.hyoutou-kumiai.jp/tezukurilife/
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272