砂糖類の国内需給
最終更新日:2020年5月11日
砂糖類の国内需給
2020年5月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「令和元砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は
2020年8月号参照)。
(1)砂糖の消費量
令和元砂糖年度(10月~翌9月。以下同じ)の砂糖の消費量は、前回見通しから7万1000トン引き下げられ、180万8000トン(前年度比3.4%減)と見通している(表1)。内訳を見ると、近年の消費動向などを踏まえ、分みつ糖の消費量は177万トン(同3.5%減)、含みつ糖の消費量は3万8000トン(同5.6%増)と見通している。
(2)砂糖の供給量
令和元砂糖年度の砂糖の供給量は、前回見通しから5万3000トン引き下げられ、179万1000トン(同5.7%減)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は176万9000トン(同5.9%減)、含みつ糖は2万1000トン(同5.0%増)と見通している。
国内産糖(分みつ糖)の供給量を見ると、てん菜糖については、てん菜の作付面積が前年産と比べ1.5%(約860ヘクタール)減少するものの、6月以降の好天と10月の気温上昇により例年以上に順調な生育となっていることから、産糖量は65万1000トン(前年産比5.9%増)、供給量は65万トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比5.9%増)と見通している。甘しゃ糖については、サトウキビの収穫面積が前年産に比べ2.5%(約550ヘクタール)減少したことに加え、前作の収穫期の長雨に伴う植え付けや管理作業の遅れなどで春植え・株出し栽培において生育に若干の遅れが見られたものの、干ばつや台風被害が少なくおおむね順調な生育となったことから、産糖量は13万3000トン(前年産比5.4%増)、供給量は12万7000トン(前年度比5.4%増)と見通している。
(3)加糖調製品の需給
令和元砂糖年度の加糖調製品の消費量は、近年の輸入動向などを踏まえ、50万8000トン(前年度比2.1%減)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
(4)異性化糖の需給
令和元砂糖年度の異性化糖の消費量は、近年の消費動向などを踏まえ、76万2000トン(前年度比7.5%減)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月からかなり大きく増加
財務省「貿易統計」によると、2020年6月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、13万2654トン(前年同月比12.0%増、前月比91.7%増)であった(図1)。
輸入先国は豪州およびタイで、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
豪州 11万2725トン
(前年同月比0.2%増、前月比85.6%増)
タイ 1万9929トン
(同3.3倍、同2.4倍)
2020年6月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、3万5354円(前年同月比1.7%安、前月比17.6%高)であった(図3)。
タイ 3万5354円
(前年同月比1.1%安、前月比17.6%高)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万5127円(前年同月比7.7%安、前月比7.6%安)であった。
【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年6月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、317トン(前年同月比54.8%減、前月比40.0%減)であった(図4)。
輸入先国は中国、タイ、フィリピンおよびコスタリカの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。
中国 171トン
(前年同月比69.8%減、前月比64.8%減)
タイ 90トン
(前年同月同、同4.3倍)
フィリピン 36トン
(前年同月比14.3%減、同71.4%増)
コスタリカ 20トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
2020年6月の1トン当たりの輸入価格は、12万9019円(前年同月比7.9%高、前月比16.4%高)であった(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
中国 12万2924円
(前年同月比2.3%高、前月比8.5%高)
タイ 11万2378円
(同1.3%高、同92.5%高)
フィリピン 16万7917円
(同56.6%高、同59.1%高)
コスタリカ 18万6000円
(前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
6月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや増加
財務省「貿易統計」によると、2020年6月の加糖調製品の輸入量は、4万1046トン(前年同月比3.8%増、前月比11.6%増)であった(図7)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3. 異性化糖の移出動向
7月の移出量は前年同月からわずかに増加
2020年7月の異性化糖の移出量は、8万9094トン(前年同月比1.7%増、前月比8.1%増)であった(図8)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。
果糖含有率40%未満 501トン
(前年同月比6.0%増、前月比30.5%増)
同40%以上50%未満 2万674トン
(同3.5%減、同2.5%増)
同50%以上60%未満 6万6834トン
(同3.4%増、同10.4%増)
同60%以上 1085トン
(同2.7%減、同21.7%減)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
7月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187~188円
大阪 同187~188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199~202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192~193円
大阪 同192~193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187~188円
大阪 同187~188円
名古屋 同189円
7月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの
1キログラム当たり131~132円
果糖分55%もの
同137~138円
【小売価格】
7月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で21.7円
KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、191.9円(前年同月差2.2円高、前月差0.4円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は21.7円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
7月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で69.2円
KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、244.3円(前年同月差1.4円高、前月差1.0円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は69.2円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
7月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で50.8円
KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、229.8円(前年同月差5.1円安、前月差5.4円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった九州・沖縄との価格差は50.8円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
6月の砂糖の支出金額は前年同月と比べわずかに上昇
総務省「家計調査」によると、2020年6月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は47、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は149円(前年同月比0.7%高、前月比39.3%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、482グラム(同5.1%減、同28.9%増)であった(図11)。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272