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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2020年6月10日

2. 国際価格の動向

2020年6月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(4/1〜5/15)
〜4月下旬に約13年ぶりの安値を記録、5月も低調な動き〜
図3
 ニューヨーク粗糖先物相場の2020年4月の推移を見ると(5(がつ)(ぎり))、1日は、原油価格の下落(注1)とブラジルの通貨レアルが米ドルに対し安値で推移(注2)した影響を受け、1ポンド当たり10.04セント(注3)と2018年9月以来の安値水準まで値を下げた。2日は反発し、同10.29セントとなった。その後は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐため世界各地で外出制限などの措置が実施される中、外食や行楽の機会が減少し砂糖消費が伸び悩むとの見方が重荷となり、横ばいで推移した。12日に主要産油国が協調減産に合意したが、原油価格を大きく押し上げるに至らず、13日は同10.17セントまで値を下げた。14日は、さらに値を下げ同10.05セントの値を付けたものの、その後やや持ち直す動きとなり、17日は同10.37セントと10セント半ばまで回復した。20日は、原油価格が史上初めてマイナスの値を付けたこと(注4)やレアルの下落を受け再び下げに転じ同10.06セントまで値を下げ、21日も続落し同9.75セントとなった。27日は、原油価格の下落とレアル安の進行に加え、ブラジルの砂糖生産量が増加するとの予測から急落し、同9.21セントと12年7カ月ぶりの安値を付けた。その後はレアル高や原油価格の上昇に伴い値を上げ、30日は、ブラジルの石油需要が外出制限の緩和によって回復したことも影響し、同10.39セントと10セント台に乗せた。

 7月限に変わった5月1日は、原油価格の上昇とインド産砂糖の生産実績の減少を受けて、同10.97セントの値を付けた。4日は、2020/21年度の砂糖在庫が増加するとの見通しが市場関係者の間で広まったことを受け、同10.40セントまで急落したが、5日は原油価格が上昇したことで反発し、同10.78セントまで値を戻した。6日は原油価格の落ち込みとレアル安が重しとなり、同10.27セントと下落した。その後数日間は横ばいで推移したが、11日はブラジル産砂糖の増産の可能性を受けて、同10.12セントと値下げが進行した。15日は原油価格が上昇したものの、記録的なレアル安が下げ要因となり、同10.38セントの値を付けた。

(注1)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替(補填)燃料であるバイオエタノールの需要も低下する。バイオエタノールの需要が低下すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えることが想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給の緩みにつながり、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが安くなると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が強まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まれば、需給の緩みにつながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注4)4月20日のNY原油先物5月限(WTI)の終値は、1バレル=▲37.63ドル(前営業日比▲55.90ドル)となり、史上初めてマイナス価格で取引を終えた。
 
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