砂糖類の国内需給
最終更新日:2020年7月10日
砂糖類の国内需給
2020年7月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「令和元砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した。(詳細は
2020年5月号参照。)
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年4月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、4万5591トン(前年同月比64.5%減、前月比46.4%減)であった(図1)。
輸入先国は豪州およびタイで、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
豪州 2万2585トン
(前年同月比80.6%減、前月比68.6%減)
タイ 2万3006トン
(同97.0%増、同76.9%増)
2020年4月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、4万5497円(前年同月比23.5%高、前月比9.9%高)であった(図3)。
タイ 4万5497円
(前年同月比23.5%高、前月比10.2%高)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万1425円(前年同月比5.4%高、前月比1.3%安)であった。
【含みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年4月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、863トン(前年同月比38.0%減、前月比47.7%減)であった(図4)。
輸入先国はタイ、中国、フィリピンおよびボリビアの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。
タイ 579トン
(前年同月比31.6%減、前月比49.9%減)
中国 174トン
(同59.3%減、同52.2%減)
フィリピン 89トン
(同8.2%減、同27.1%増)
ボリビア 21トン
(前年同月輸入実績なし、同58.8%減)
2020年4月の1トン当たりの輸入価格は、11万4495円(前年同月比1.2%安、前月比1.5%安)であった(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 10万7663円
(前年同月比4.2%安、前月比3.8%安)
中国 12万816円
(同0.2%安、同1.0%高)
フィリピン 13万4888円
(同10.8%高、同11.0%安)
ボリビア 13万7476円
(前年同月輸入実績なし、同10.0%高)
【加糖調製品の輸入動向】
4月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや減少
財務省「貿易統計」によると、2020年4月の加糖調製品の輸入量は、4万4252トン(前年同月比3.2%減、前月比4.7%減)であった(図7)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3. 異性化糖の移出動向
5月の移出量は前年同月から大幅に減少
2020年5月の異性化糖の移出量は、6万3926トン(前年同月比22.4%減、前月比18.7%減)であった(図8)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。
果糖含有率40%未満 288トン
(前年同月比26.0%減、前月比37.8%減)
同40%以上50%未満 1万7617トン
(同11.2%減、同14.7%減)
同50%以上60%未満 4万5074トン
(同25.7%減、同19.8%減)
同60%以上 946トン
(同31.9%減、同27.7%減)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
5月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり 187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり 199〜202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり 192〜193円
大阪 同192〜193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり 187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同189円
5月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの
1キログラム当たり 131〜132円
果糖分55%もの
同137〜138円
【小売価格】
5月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で22.1円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、192.0円(前年同月差1.6円高、前月差0.1円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は22.1円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。 関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県 首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県 中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県 関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
5月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で73.5円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.5円(前年同月差0.4円高、前月差0.3円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は73.5円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
5月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で44.8円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける5月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、230.6円(前年同月差5.5円安、前月差2.2円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は44.8円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
4月の砂糖の支出金額は前年同月と比べ大幅に上昇
総務省「家計調査」によると、2020年4月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は38、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は95円(前年同月比18.8%高、前月比2.2%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、340グラム(同14.1%増、同0.9%減)であった(図11)。
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