2019/20年度、輸入量はかなり大きく増加する見込み
2019/20年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は118万ヘクタール(前年度比3.5%減、6月予測より変化なし)とやや減少し、天候不順で停滞していたサトウキビの生育状況に回復の兆しが見られるものの、収穫面積の減少による影響を相殺しきれず、サトウキビ生産量は7769万トン(同1.1%減、6月予測より変化なし)とわずかに減少すると見込まれる(表4)。てん菜の主産地である内モンゴル自治区でヨトウムシなどによる害虫被害が発生したことから、てん菜の収穫面積は21万ヘクタール(同12.4%減、6月予測より変化なし)とかなり大きく減少すると見込まれる。生育期間を通じておおむね天候に恵まれ、てん菜の糖分は前年度を上回っているものの、収穫面積の減少分を補うに至らず、てん菜生産量は1090万トン(同6.6%減、6月予測より変化なし)とかなりの程度減少すると見込まれる。
原料の減産に伴い、砂糖生産量は1125万トン(同3.4%減、6月予測より増加)とやや減少すると見込まれる。中央政府による国内の砂糖在庫の増加方針を受け、輸入量は561万トン(同11.3%増、6月予測より減少)とかなり大きく増加すると見込まれる。
関税割当枠外で輸入される砂糖について、輸入報告を義務付け
中国商務部は6月29日、輸入報告の管理対象品目に関税割当枠外で輸入される砂糖を7月1日から追加することを発表した。対象となる砂糖は、粗糖、精製糖、香料または着色料が添加された砂糖などである。独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、「対外貿易経営者は、[1]契約締結後、 [2]貨物が出港後、[3]貨物の港への到着後、[4]報告事項に変更があった後、それぞれについて要求された期間内に輸入報告が義務付けられている」
(注1)。商務部は、収集した砂糖の輸入関連情報を半月に1回の頻度でホームページ上に公開するとしている。
現在中国では、砂糖輸入において195万トンの関税割当数量(枠内税率15%)が定められている。関税割当枠外の砂糖については、5月21日まで85%の関税が賦課されていたが、22日から50%に引き下げられ
(注2)、今回の措置はこれに続くものである。
(注1)出所:日本貿易振興機構(ジェトロ)ウェブサイト「中国ー貿易管理制度ー輸入品目規制」
(注2)詳細は、2020年6月12日付海外情報「関税割当枠外の砂糖への追加関税を撤廃(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002725.html)を参照されたい。