砂糖類の国内需給
最終更新日:2020年10月9日
砂糖類の国内需給
2020年10月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「令和元砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は
2020年8月号参照)。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2020年7月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、10万288トン(前年同月比13.9%減、前月比24.4%減)であった(図1)。
輸入先国は豪州で、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
豪州 10万288トン
(前年同月比0.2%減、前月比11.0%減)
2020年7月の甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万5396円(前年同月比2.9%安、前月比0.8%高)であった(図3)。
【含みつ糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年7月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、333トン(前年同月比31.6%減、前月比5.0%増)であった(図4)。
輸入先国は中国、フィリピン、タイ、モーリシャスおよび台湾の5カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。
中国 228トン
(前年同月比40.5%減、前月比33.3%増)
フィリピン 63トン
(同3.1%減、同75.0%増)
タイ 21トン
(前年同月同、同76.7%減)
モーリシャス 20トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
台湾 1トン
(前年同月比94.4%減、前月輸入実績なし)
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、11万9541円(前年同月比8.4%減、前月比7.3%減)であった(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
中国 11万8325円
(前年同月比3.1%安、前月比3.7%安)
フィリピン 14万7968円
(同0.8%安、同11.9%安)
タイ 5万8571円
(同5.1%高、同47.9%安)
モーリシャス 9万8550円
(前年同月および前月輸入実績なし)
台湾 30万6000円
(前年同月比6.7%安、前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
7月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度減少
財務省「貿易統計」によると、2020年7月の加糖調製品の輸入量は、4万3612トン(前年同月比6.5%減、前月比6.3%増)であった(図7)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3. 異性化糖の移出動向
8月の移出量は前年同月からかなり大きく減少
2020年8月の異性化糖の移出量は、6万2733トン(前年同月比12.6%減、前月比29.6%減)であった(図8)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。
果糖含有率40%未満 304トン
(前年同月比0.7%増、前月比39.3%減)
同40%以上50%未満 1万7040トン
(同4.0%減、同17.6%減)
同50%以上60%未満 4万4568トン
(同15.9%減、同33.3%減)
同60%以上 821トン
(同9.8%増、同24.4%減)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
8月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪 同192〜193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同189円
8月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの
1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの 同137〜138円
【小売価格】
8月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で23.2円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、190.4円(前年同月差0.9円安、前月差1.5円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は23.2円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
8月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で80.3円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.2円(前年同月差0.4円安、前月差1.1円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は80.3円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
8月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で44.1円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.0円(前年同月差0.8円高、前月差5.2円高)であった。最も高かったのは九州・沖縄で、最も安かった北海道との価格差は44.1円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
7月の砂糖の支出金額は前年同月と比べやや下落
総務省「家計調査」によると、2020年7月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は35、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は86円(前年同月比3.4%安、前月比42.3%安であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、298グラム(同26.4%減、同38.2%減)であった(図11)。
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