2020/21年度の輸出量は、やや増加する見込み
2020/21年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は148万ヘクタール(前年度比2.6%減)とわずかに減少すると見込まれる(表5)。てん菜生産量は7月の深刻な干ばつに見舞われた上、8月の降雨が少なかったことから1億245万トン(同4.7%減)とやや減少すると見込まれる。 EU最大のてん菜生産国フランスでの長引く干ばつや
萎黄病の流行などが影響し、砂糖生産量は1646万トン(同3.1%減)とやや減少すると見込まれる。輸出量は195万トン(同3.4%増)とやや増加すると見込まれる。
フランス下院、ネオニコチノイド系農薬の緊急使用を含む法案を可決
フランス国民議会(下院)は10月6日、同国で2018年以降、使用が禁止されている
(注)ネオニコチノイド系農薬のてん菜種子へのコーティングを2021年から最大2023年まで許可する法案を可決した。現地報道によると、同国農相は下院での審議において、同法案は同国の砂糖自給率の維持を目的としており、環境に悪影響を与えるものではないと説明したとしている。今後は元老院(上院)での審議に移り、10月27日に採択が予定されている。
同国では2020年に入って萎黄病の流行が各地で報告されており、てん菜の単収減少が危惧されている。てん菜生産者組合(CGB)は、「危機的状況にさらされているてん菜産業の持続可能性を確保するための、意欲的で勇気ある政府の取り組みを歓迎するとともに、上院での採択についても期待している」とのコメントを発表した。
(注)同農薬の使用をめぐる経緯については、『砂糖類・でん粉情報』2020年9月号「フランス、ネオニコチノイド系農薬の緊急使用を認める方向」(https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002293.html)を参照されたい。