調査情報部では世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各国政府の対応など需給に影響を与えるタイムリーな情報を、海外情報としてホームページの以下のURLに随時掲載しております。
(掲載URL:
https://www.alic.go.jp/topics/index_abr_2020.html)
ここでは、11月24日までに掲載したものをまとめて紹介いたします。
欧州議会と欧州連合(EU)理事会(閣僚理事会)は11月10日、生産者、食品関係事業者、農村地域のコロナ危機からの回復力を高めるため、総額80億7000万ユーロ(1兆168億円:1ユーロ=126円)の復興パッケージについて暫定合意に達したと発表した。
欧州議会のプレスリリースによると、当初欧州委員会が提案していた2022年から2024年の実施期間は、2021年から2022年に前倒しされた。また、EUの復興基金から支出される総額のうち約30%が2021年、残り70%が2022年に充てられる予定である。
欧州議会は閣僚理事会との交渉の中で、有機生産者や、環境・気候変動、アニマルウェルフェア(動物福祉)対応に充てるために37%以上、若手農業者の起業と農場への投資(危機に対する回復力、持続可能性およびデジタル化)に55%以上の資金をかろうじて確保し、環境に配慮した生産に対する支援の割合は、現状を下回るべきではないとしている。また、生産者や食品事業者が要件を満たす投資を行う場合の支援の上限は、発生する費用の75%に引き上げられ、若手農業者の起業支援の上限額も7万ユーロ(882万円)から10万ユーロ(1260万円)に引き上げられた。資金はすべてEUから提供され、各国の負担はない。
なお、実現に向けた正式合意には、2021年1月1日の次期共通農業政策発効前に、欧州議会およびEU理事会で関連規則の承認を得る必要がある。