砂糖類の国内需給
最終更新日:2021年1月12日
砂糖類の国内需給
2021年1月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和2年9月に「令和2砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した(詳細は
2020年11月号参照)。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2020年10月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、13万1389トン(前年同月比30.4%増、前月比50.1%増)であった(図1)。
輸入先国は豪州で、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
豪州 13万1389トン
(前年同月比32.1%増、前月比3.1倍)
また、2020年10月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万105円(前年同月比17.8%高、前月比6.1%高)であった(図3、図4)。
【含みつ糖の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年10月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、436トン(前年同月比33.6%減、前月比3.4倍)であった(図5)。
輸入先国は中国およびフィリピンの2カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図6)。
中国 348トン
(前年同月比15.5%減、前月比3.7倍)
フィリピン 88トン
(同4.2倍、同2.5倍)
2020年10月の1トン当たりの輸入価格は、12万1440円(前年同月比10.3%安、前月比6.0%安)であった(図7)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
中国 11万6463円
(前年同月比4.2%安、前月比3.5%安)
フィリピン 14万1125円
(同32.5%高、同7.3%安)
【加糖調製品の輸入動向】
10月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2020年10月の加糖調製品の輸入量は、4万2745トン(前年同月比14.6%減、前月比10.9%増)であった(図8)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3.異性化糖の移出動向
11月の移出量は前年同月からかなり大きく減少
2020年11月の異性化糖の移出量は、5万8558トン(前年同月比12.5%減、前月比0.8%増)であった(図9)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。
果糖含有率40%未満 402トン
(前年同月比11.9%増、前月比5.2%増)
同40%以上50%未満 1万5796トン
(同8.6%減、同4.9%減)
同50%以上60%未満 4万1813トン
(同14.2%減、同3.4%増)
同60%以上 548トン
(同0.9%増、同19.9%減)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
11月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪 同192〜193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同189円
11月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの 1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの 同137〜138円
【小売価格】
11月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で25.5円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、190.6円(前年同月差1.2円安、前月差1.7円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は25.5円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。 関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県 首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県 中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県 関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
11月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で71.3円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、244.2円(前年同月差0.8円高、前月差0.1円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は71.3円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
11月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で50.9円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、225.9円(前年同月差6.8円安、前月差2.3円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった九州・沖縄との価格差は50.9円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
10月の砂糖の支出金額は前年同月と比べ大幅に上昇
総務省「家計調査」によると、2020年10月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は36、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は87円(前年同月比16.0%高、前月比16.0%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、353グラム(同6.0%増、同11.4%増)であった(図12)。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272