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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2021年3月10日

2. 国際価格の動向

2021年3月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(1/4〜2/11)
〜世界的な砂糖供給のひっ迫見通しなどを受けて、15〜16セント台で推移〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2021年1月の推移を見ると(3月限(がつぎり))、4日は、アジアからの堅調な砂糖需要に加えて、前月から引き続き世界的な砂糖供給のひっ迫見通しに支えられ、1ポンド当たり15.76セント(注1)を付けた。6日は世界最大級の砂糖トレーダーが、2020/21年度および2021/22年度の砂糖生産量が消費量を下回るとの予測を発表したことなどから、世界的に砂糖の供給がひっ迫するとの見方が強まり、3年半ぶりの高値となる同16.25セントを付けた。7日はレアルが対ドルで1カ月半ぶりの安値となったことから、同15.60セントと急落した(注2)。13日はブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が、同国中南部における2020年12月後半の砂糖生産量の減少を発表したことから、同15.84セントと上昇した。14日は世界的な砂糖の供給ひっ迫の見通しから、砂糖の先物買いが活発化し、同16.67セントと急騰し、3年半ぶりに高値を更新した。15日はレアル安と原油価格の下落などを受けて、同16.45セントと下落した(注3)。19日は、レアルの続落を受けて同16.10セントまで値を下げた。20日は、同16.27セントと値を上げたものの、その後はレアル安やブラジルのサトウキビ生産地の降雨予報、同国産砂糖生産量の増加などを受けて下落傾向で推移し、28日は同15.59セントを付けた。29日は、インドでコンテナが不足し砂糖輸出が停滞していることを受けて、同15.83セントまで上昇した。

 2月1日は、EUの砂糖生産量予測が下方修正されたことなどが影響し、同16.15セントまで値を上げた。2日は、原油価格が1年ぶりの高値を付けたことで、砂糖相場も追随し、同16.29セントを付けたが、3日は、同16.04セントまで値を下げた。4日以降は、原油価格の回復やタイ産砂糖生産量の減少予測などに伴い上昇傾向で推移し、10日は、同16.71セントまで値を上げた。11日は、2020/21年度の砂糖生産量が前年度から9%増加するとの見込みをインド砂糖貿易協会が発表し、砂糖需給の緩和が予想されたことで、同16.55セントと下落した。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが安くなると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が上昇すると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替(補填)燃料であるバイオエタノールの需要も低下する。バイオエタノールの需要が低下すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えることが想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
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