砂糖類の国内需給
最終更新日:2021年4月9日
砂糖類の国内需給
2021年4月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和2年12月に「令和2砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した(詳細は
2021年2月号参照)。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
1月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2021年1月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、7506トン(前年同月比78.8%減、前月比94.5%減)であった(図1)。
輸入先国は豪州およびタイで、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
豪州 6506トン
(前年同月比81.4%減、前月比95.3%減)
タイ 1000トン
(同2.0倍、前月輸入実績なし)
2021年1月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、4万1637円(前年同月比23.7%高、前月輸入実績なし)であった(図3)。
タイ 4万1637円
(前年同月比23.7%高、前月輸入実績なし)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万4170円(前年同月比18.5%高、前月比3.9%高)であった(図4)。
【含みつ糖の輸入動向】
1月の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
財務省「貿易統計」によると、2021年1月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、787トン(前年同月比9.9%増、前月比74.1%増)であった(図5)。
輸入先国はタイ、中国、ボリビア、フィリピンの 4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図6)。
タイ 327トン
(前年同月比7.6%減、前月比15.6倍)
中国 249トン
(同23.1%減、同14.7%増)
ボリビア 127トン
(前年同月輸入実績なし、同24.5%増)
フィリピン 84トン
(前年同月比2.5倍、同22.9%減)
2021年1月の1トン当たりの輸入価格は、11万1642円(前年同月比6.6%安、前月比4.1%安)であった(図7)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 10万9743円
(前年同月比3.0%安、前月比23.0%高)
中国 11万735円
(同8.4%安、同0.4%高)
ボリビア 12万4654円
(前年同月輸入実績なし、同0.7%安)
フィリピン 10万2048円
(前年同月比28.1%安、同18.9%安)
【加糖調製品の輸入動向】
1月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに減少
財務省「貿易統計」によると、2021年1月の加糖調製品の輸入量は、3万8440トン(前年同月比2.2%減、前月比8.2%減)であった(図8)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3.異性化糖の移出動向
2月の移出量は前年同月から大幅に減少
2021年2月の異性化糖の移出量は、5万2255トン(前年同月比17.3%減、前月比3.2%減)であった(図9)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。
果糖含有率40%未満 338トン
(前年同月比6.9%減、前月比18.5%減)
同40%以上50%未満 1万5484トン
(同9.8%減、同2.5%増)
同50%以上60%未満 3万5807トン
(同20.5%減、同5.4%減)
同60%以上 626トン
(同9.4%増、同3.9%増)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
2月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同191円
関門 同191円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪 同202円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪 同192〜193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同187〜188円
名古屋 同189円
2月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの 1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの 同137〜138円
【小売価格】
2月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で26.0円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける2月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、189.5円(前年同月差3.7円安、前月差1.5円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は26.0円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
2月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で71.0円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける2月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.9円(前年同月差0.8円高、前月差1.0円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は71.0円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
2月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で52.3円
KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける2月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、227.7円(前年同月差5.2円安、前月差5.0円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった九州・沖縄との価格差は52.3円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
1月の砂糖の支出金額は前年同月と比べかなりの程度上昇
総務省「家計調査」によると、2021年1月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は31、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は73円(前年同月比10.6%高、前月比46.7%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、279グラム(同4.9%増、同48.7%減)であった(図12)。
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