2. 国際価格の動向
最終更新日:2021年6月10日
2. 国際価格の動向
2021年6月
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(4/1〜5/14)
〜5月限は17セント台で納会、5月中旬には2カ月半ぶりに18セント台へ乗せる〜
ニューヨーク粗糖先物相場の2021年4月の推移を見ると(5月限)、1日は、前月からの流れが継続し、1ポンド当たり14.71セント(注1)と下落したが、6日は、原油価格の上昇とレアル高(注2,3)を受けて同15.16セントまで上昇した。9日は、ブラジルにおける1月〜3月のエタノール輸出量が過去5年間で最多を記録したとの報道を受け、引き続きエタノールの増産が継続するとの思惑から、同15.46セントまで値を上げた。12日は同15.35セントと値を下げたが、13日以降は、原油価格の上昇や、ブラジルやフランスといった主要国で天候不順などを背景に砂糖生産量が減少するとの予測から相場が急上昇し、16日は同16.72セントとなった。19日は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者数の全世界での増加を受けて、砂糖需要が今後落ち込むと懸念されたことで同16.29セントまで下落した。20日以降はブラジルの乾燥気候がサトウキビ生産に悪影響を及ぼすとの見方などから再び上昇が続き、27日は同17.94セントまで値を上げた。29日は、同17.08セントまで値を下げたものの、5月限の最終日である30日は、同17.44セントまで回復し、上昇基調を維持した形で納会した。
7月限に変わった5月3日は、インドの砂糖生産実績が前年同期より増加したことで、同16.73セントを付けた。4日以降は、ブラジルの乾燥気候への懸念やブラジルレアルが米ドルに対して上昇したことなどから堅調に推移し、6日は同17.55セントまで値を上げた。11日は、ブラジル産砂糖の減少予測や同国におけるエタノール価格が高値で推移していることなどにより、同18.10セントと2カ月半ぶりに18セント台へ乗せたものの、12日以降は原油価格の下落などに伴い値を下げ、14日は同16.96セントを付けた。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も上昇する。バイオエタノールの需要上昇により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
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