砂糖類の国内需給
最終更新日:2021年6月10日
砂糖類の国内需給
2021年6月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和3年3月に「令和2砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した(詳細は
2021年5月号参照)。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2021年3月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14–110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14–200の豪州)の輸入量は、5万6831トン(前年同月比33.1%減、前月比57.9%増)であった(図1)。
輸入先国は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
タイ 1万5862トン
(前年同月比22.0%増、前月輸入実績なし)
豪州 4万969トン
(同43.1%減、前月比13.8%増)
2021年3月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、4万8323円(前年同月比16.7%高、前月輸入実績なし)であった(図3)。
タイ 4万8323円
(前年同月比17.0%高、前月輸入実績なし)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万8031円(前年同月比14.5%高、前月比5.5%高)であった(図4)。
【含みつ糖の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2021年3月の含みつ糖(HSコード 1701.13–000、1701.14–190)の輸入量は、1158トン(前年同月比29.8%減、前月比33.7%減)であった(図5)。
輸入先国はタイ、中国、フィリピンおよびボリビアの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図6)。
タイ 622トン
(前年同月比46.1%減、前月比49.6%減)
中国 311トン
(同14.6%減、同6.9%減)
フィリピン 174トン
(同2.5倍、同2.1倍)
ボリビア 51トン
(前年同月同、同32.0%減)
2021年3月の1トン当たりの輸入価格は、12万1587円(前年同月比4.6%高、前月比2.1%高)であった(図7)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 11万3088円
(前年同月比1.0%高、前月比4.0%安)
中国 11万9383円
(同0.2%安、同0.2%高)
フィリピン 15万3132円
(同1.0%高、同39.5%高)
ボリビア 13万1059円
(同4.9%高、同1.1%高)
【加糖調製品の輸入動向】
3月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに増加
財務省「貿易統計」によると、2021年3月の加糖調製品の輸入量は、4万7337トン(前年同月比1.9%増、前月比43.7%増)であった(図8)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3.異性化糖の移出動向
4月の移出量は前年同月からやや増加
2021年4月の異性化糖の移出量は、8万2594トン(前年同月比5.1%増、前月比10.8%増)であった(図9)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。
果糖含有率40%未満 520トン
(前年同月比12.3%増、前月比17.1%増)
同40%以上50%未満 2万356トン
(同1.4%減、同1.4%増)
同50%以上60%未満 6万275トン
(同7.3%増、同13.7%増)
同60%以上 1444トン
(同10.4%増、同42.5%増)
4. 価格動向
【市場価格】
異性化糖は前月から10円程度値上がり
4月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192~193円
大阪 同192~193円
名古屋 同196円
関門 同196円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり205~206円
大阪 同207円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり197~198円
大阪 同197~198円
名古屋 同201円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192~193円
大阪 同192~193円
名古屋 同194円
4月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの 1キログラム当たり131~142円
果糖分55%もの 同137~148円
【小売価格】
4月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で31.2円
KSP–POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける4月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、192.6円(前年同月差0.6円高、前月差2.0円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は31.2円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
4月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で73.1円
KSP–POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける4月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、244.1円(前年同月差0.3円高、前月差0.7円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は73.1円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
4月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で52.8円
KSP–POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける4月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、228.9円(前年同月差3.8円安、前月差4.5円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は52.8円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
3月の砂糖の支出金額は前年同月と比べやや下落
総務省「家計調査」によると、2021年3月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は36、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は90円(前年同月比3.2%安、前月比5.9%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、369グラム(同7.6%増、同1.1%増)であった(図12)。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272