パラチノースはグルコースとフルクトース(果糖)の結合位置を変えることで作られる二糖類であり(図2)、自然界では、ハチミツの中に微量存在する。現在、当社が取り扱うパラチノースはドイツで製造されており、基原原料はてん菜である。食品添加物ではなく、分類は「食品」である。ショ糖と同様に1グラム当たり4キロカロリーのエネルギー量を持つが、結合位置の違いにより、消化吸収速度がショ糖の約5分の1になり、ゆっくりと消化吸収されることが特徴である
3)。
ここからは、パラチノースの脳機能試験の例をいくつか紹介する。
図3は注意力に関する試験の結果である。健康な成人男女を20グラムパラチノース摂取群と20グラムグルコース摂取群に分け、認知機能測定ツール(Cognitrax)を用いて評価を行ったところ、パラチノース群において単純注意力のスコアが60分後、180分後においてグルコース群よりも高い値を示した
4)。
パラチノースは血糖値の乱高下を防ぎ、中程度の血糖値をショ糖よりも長時間にわたり維持するという「エネルギーの持続性」が、脳にグルコースを送りやすい状態を長く作り出し脳機能に関するスコアを高く維持した一つの要因と考えられている。
この試験では集中を阻害する要因にもなる眠気に関するデータも測定している。図4は図3の注意力に関する試験と同時に、眠気に関するアンケートを実施した結果であり、パラチノース群ではグルコース群よりもスコアが低値で推移しており、眠気が抑えられていることがわかる。
このように、パラチノースを活用することで、持続的に集中状態を維持できるのである。