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3. 国際価格の動向

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最終更新日:2021年10月11日

3. 国際価格の動向

2021年10月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(8/2〜9/13)
〜8月中旬には4年半ぶりの高値である20セント越えとなるも、9月は反転〜
 
 ニューヨーク粗糖先物相場の2021年8月の推移を見ると(10(がつ)(きり))、5日は、ブラジルの砂糖生産量が干ばつや霜の影響により減少するとの予測が市場に広まったことで、1ポンド当たり18.62セント(注1)と急伸した。10日は、ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)が7月後半の主産地(中南部地域)の砂糖生産量が前年同期から1割以上落ち込んだと発表したことなどから、同19.59セントまで急伸した。11日以降も、ブラジルの干ばつ、霜の影響への懸念、エタノール価格の上昇を受けて高水準で推移し、16日は、同20.03セントと4年半ぶりの高値を記録し、18日は同20.17セントまで上昇した。19日は、原油価格の下落(注2)などに伴い同19.79セントまで値を下げ、その後1週間はもみ合いが続いた。27日は、国際砂糖機関(ISO)が2021/22年度における世界的な需給のひっ迫度合いを5月予測から引き上げたことやレアル高(注3)を背景に、同20.04セントと再び20セント台まで回復した。  

 9月1日は、原油価格の動きに影響を受けて同19.67セントまで値を下げた。2日は同19.90セントまで値を戻したが、3日以降はブラジルでまとまった降雨が予報されたことやタイ産砂糖の増産予測などから下落傾向で推移した。10日は、UNICAの発表した8月後半における中南部地域の砂糖生産量が前年からわずかに増加したことで、同18.79セントと下落した。13日は、ブラジルで今後1週間は降雨の確率が低いと予測されたことなどが材料となって、同18.98セントまで値を上げた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も低下する。バイオエタノールの需要低下により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が低下する。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
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