2021/22年度の砂糖生産量はやや減少し、輸入量は大幅に減少する見込み
2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、116万ヘクタール(前年度比0.6%増)とわずかな増加が見込まれる(表4)。サトウキビ生産量は、主産地である広西チワン族自治区や雲南省の天候が良好であるため、7475万トン(同1.6%増)とわずかに増加すると見込まれる。一方、同年度のてん菜の収穫面積は、トウモロコシへ転作する農家の増加により
(注)、17万ヘクタール(同27.1%減)と大幅に減少し、てん菜生産量も、883万トン(同28.7%減)と1000万トンを下回ると見込まれる。
砂糖生産量は、てん菜糖生産量の減少を受けて1094万トン(同5.1%減)とやや減少すると見込まれる。輸入量は、前年度の輸入によって積み増しされた国内の余剰在庫が政府によって放出される可能性があり、これは輸入糖の需要を低下させることから、563万トン(同23.4%減)と大幅に減少すると見込まれる。
(注)同国では、アフリカ豚熱からの回復による豚飼養頭数の増加を受けて、飼料用トウモロコシなどの需要が高まりを見せている。詳細は、2021年6月17日付海外情報「中国農業展望報告(2021−2030)を発表(飼料編)(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002967.html)を参照されたい。
2020/21年度の砂糖輸入量、前年同期の約2倍で推移
中国海関総署は8月19日、2021年7月の砂糖輸入量が前月比2.4%増の43万トンであったと発表した(図4)。これは、前年同月の輸入数量から12万トンの増加(前年同月比38.7%増)となる。昨年末以降の推移を月別に見ると、2021年に入り減少傾向にあった中、3月から5月は20万トン以下で推移していたが、6月以降は40万トン台まで回復している。また、2020/21年度の7月までの累計では、496万トンと前年同期(255万トン)の約2倍に達し、年度開始後10カ月間の砂糖輸入量としては過去最高を記録した。増加した要因としては、2020年5月21日に砂糖のセーフガード措置が失効し、関税割当枠外の砂糖に対する追加関税が撤廃されたことで、国内需要の増加に伴い、輸入が本格化したことなどが挙げられる
(注)。一方、上述の通り、同国内の在庫は放出の可能性がうたわれ余剰感がある中で、今後これらがどのような動きとなるか注目される。
(注)関税割当枠外の砂糖に対する追加関税の撤廃については、2020年6月12日付海外情報「関税割当枠外の砂糖への追加関税を撤廃(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002725.html)を参照されたい。